忘年会シーズンを前に確認したい、サントリーの“ドリンクスマイル”が意味することとは
実は、啓発活動は1986年から
“適正飲酒”への取り組みというと、アサヒビールが2020年から積極展開している「スマドリ(スマートドリンキング)」を想起するが、実は同社も1986年から適正飲酒に関する啓発活動を取り組んできたパイオニアでもあるという。「お酒は何よりも適量です」というメッセージを盛り込んだ“モデレーション広告”(モデレーションとは「ほどほど」「中庸」の意味)を展開し、これまで1年も欠かさず新聞に広告を出稿している実績がある。 「当初は(お酒を悪者にしかねないと)社内でも反対意見はあったが、当時の社長であった佐治敬三によって推進された」と質疑応答で宮森氏が答えた。
大手ビールメーカーの“適正飲酒”への取り組みとは
先述のように、ビールメーカーを中心に、“適正飲酒”の概念を推進する動きは昨今盛んだ。代表的な取り組みを紹介する。
・アサヒビール 2020年12月から、お酒を飲む人も飲まない人も楽しめる「スマドリ(スマートドリンキング)」を提唱。日々の飲酒量を可視化する「飲酒量レコーディング」をブラウザで提供。2022年1月にはアサヒビールと電通デジタルでスマドリ株式会社を設立し、渋谷センター街への「THE 5th by SUMADORI-BAR」のオープン、ファンコミュニティを開設するなど、消費者を巻き込む創意工夫に溢れる。
・キリンビール 2019年から、お酒を飲む際の雰囲気や流れる時を楽しんでもらう「スロードリンク」を提唱。適正飲酒の啓蒙活動もより積極的に実施。2024年5月からは、団体向けに正しいお酒との付き合い方を学ぶ「適正飲酒セミナー」の展開もスタートしている。
・サッポロビール アルコール関連問題対策のグローバルスローガン「Promote Responsible Drinking」を掲げる。飲酒に関する正しい知識を習得し、健康的にお酒を楽しむために「適正飲酒啓発セミナー」を2015年から主に首都圏の大学と企業にて開催。また、20歳未満が飲酒してはならない理由や誘われたときの断り方、大人が果たすべき役割などを掲載した小冊子を、2009年から2022年末までに約180,000冊、希望する小・中学校などへ配布している。 取材・文/和田史子(GetNavi web編集部) 協力/鈴木和成
GetNavi web編集部