たどり着いた『フリースクール』という選択肢 2年半不登校だった少女の決断と母の葛藤 「ここなら、きっと自信につながっていくかな」
■前向きな気持ちで入学 しかし不安も
5日間の体験を終えた日向子さん。 【キリンのとびら・まちば拠点 スタッフ 唐治谷さん】「勉強が苦手という話をしていたけど、日向子のペースで日向子がやりやすいやり方で始めていける方法がたくさん見つけられると思うから、一緒に探していこうよ。少しずつ、自分がやりやすい形でやっていけたらきっと勉強も『意外と楽しいやん』って思えるように、絶対なる」 日向子さんは、フリースクールに通うことを決めました。 【日向子さん】「午前中から来たい」 【日向子さんの母】「午前中から来たい?すごい!」 【キリンのとびら・まちば拠点 スタッフ 唐治谷さん】「日向子、14日から入学になりました。よろしくね」 それからおよそ2カ月間、まずは週2回ほどのペースで通っていた日向子さん。 しかし、時折やってくる“家の外に出ることへの不安”が再び強くなり、フリースクールを休む日が増えるようになりました。
今年2月、「キリンのとびら」で開かれたのは、親の会。フリースクールに通っているかどうかにかかわらず、誰でも参加することができます。 そこでは、不登校の子供を持つ親がさまざまな悩みを打ち明けていました。 【参加者】「私は仕事をフルタイムで仕事をしていて一人親なので、仕事にも行けない。子どもを一人で置いてもいけない、一人でいたくないと泣く。どうしようと悩んで…」 【参加者】「外に出たり人が多いところに行くと気分が悪くなったり頭痛が出たりでだいぶ避けていたんですけど」 参加者の中に、日向子さんのお母さんの姿もありました。 【日向子さんの母】「自分で選んだフリースクール、行ってほしいなと、楽しそうにしていたりするので、応援してるんですけど、ずっと何年も家にいたので、行ったら楽しいけど疲れちゃって。今、先々週くらいからお休みさせてもらったり」 やっとたどり着いた居場所に行きたい気持ちはあるけれど、行けない。今、日向子さんは自宅で過ごしています。 【日向子さんの母】「分かってあげたいし無理はさせたくないし、元気になってほしい気持ちは本当。でも『今ちょっとがんばっておいた方がいいんじゃないかな?』と思うけど、口では『(休んでも)いいよ』と言っちゃう。行きたいっていう気持ちがあるから(背中を)押してあげたらいいのか、どうしてあげたらいいのか」 日向子さんのお母さんも葛藤を抱えていました。しかし、不登校だった頃に比べ、明らかな変化もありました。 お母さんから送られてきた写真には、得意の料理に熱中する日向子さんの姿が。家で前向きな気持ちで過ごす日が増え、バレンタインの日には、「フリースクールの友達に食べてほしい」と自らキッチンに立ってクッキーを作りました。 【日向子さんの母】「新しいスタートでいろいろ向き合いながら、いろんな人に助けてもらいながら、行ったり戻ったりしながら、お互い楽しいなと思えたらいいのかなと」 フリースクールに行くことも一つの選択肢。不登校の子どもが増えている今、教育のあり方にも多様性や選べる自由が求められています。 (関西テレビ「newsランナー」 2024年3月20日放送)