ニューヨークでパレスチナ・イスラエル支持者が一触即発に…アメリカ社会でも緊張の度合い高まる
イスラエルとパレスチナの情勢が緊迫する中、ハマスの指導者が「怒りの日」としてイスラム教徒らに行動をよびかけた13日の金曜日。ニューヨーク市内では警官が総動員され、街は厳戒警備体制となった。 市内ではパレスチナ系の人々による大規模な抗議集会が開かれ、イスラエルから遠く離れたニューヨークでも、パレスチナとイスラエル支持者が対峙(たいじ)して各所で小競り合いがみられた。
■パレスチナ支持者抗議集会にイスラエル支持者が乱入し逮捕
パレスチナ系の住民が集まった場所の一つが、マンハッタンにあるバルーク大学。我々取材班が到着した頃には、200人ほどが集まり、パレスチナの旗やプラカードを手に、イスラエルのガザ空爆に対して抗議のシュプレヒコールが上がっていた。 周辺には数十人の警官が配置され、上空にはヘリコプターが旋回。厳重な警備のもと、粛々と抗議活動が行われている中、イスラエル国旗を手にした男が叫びながらパレスチナ支持者に接近。警官にあっという間に囲まれ、その場で手錠をかけられた。これに抗議したパレスチナ支持者の男も、警官に取り押さえられて身柄を確保。 ニューヨーク市警によると、バルーク大学の抗議集会で、2人が治安びん乱の容疑で逮捕されたという。 現場は一時騒然としたが、抗議集会は続行され、パレスチナ支持者はタイムズスクエアに向かってシュプレヒコールを上げながら行進を始め、デモのうねりが高まっていった。
■遠く離れたニューヨークでもパレスチナとイスラエル支持者が対峙
午後3時半すぎ、タイムズスクエアに隣接する通りを挟んで、パレスチナ支持者とイスラエル支持者が対峙する形となった。双方のトーンは最高潮となり、ニューヨークのど真ん中で、通りを挟んでお互いをののしり合う。 イスラエル支持者がいる場所に、パレスチナの旗を手にした若者が乱入し、一触即発になる場面もあったが、潤沢に配置された警官がすぐに間に入りお互いを収め、大事には至らなかった。 イスラエルによるガザへの地上侵攻への脅威が高まる中、壇上に上がった女性は、アラビア語で「アッサラーム・アライクム(あなた方の上に平安がありますように)」とメガホンで叫び、パレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルを非難した。 デモに参加したパレスチナ系の人は、「苦しんでいる人の大半は女性や子どもたちだ。イスラエルがパレスチナ人の精神を打ち砕くことはできない」「イスラエルはハマスができる前から虐殺を行っている。彼らは赤ん坊や女性、子どもを殺して民間人を標的にしている」と今の惨状へのやるせない気持ちを訴えた。