脚の動きと腰の回転は職場でマスターできる!? シーズン直前はキャスター付きの椅子を使った"フットワークドリル"に取り組もう【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話♯52】
一昨年の全米女子アマを制し、23年12月のプロテストで合格した馬場咲希プロを、中学1年から指導しているのがプロコーチの坂詰和久(さかづめかずひさ)、通称『わきゅう』だ。坂詰コーチと20年以上の付き合いがあるベテラン編集者Oが、謎キャラコーチの気になる話を聞き出す。今回は「シーズンオフの調整法」がテーマだ。
選手それぞれにテーマを与える
O編 プロにとって、オフシーズンはじっくりと技術を見直せる時期だと思うんだけど、わきゅうの見ている選手たちは、どんな感じで調整する予定なの? 坂詰 馬場(咲希)ちゃんに関しては、いま運転免許取得中なので、それが終わってから始める予定です。 O編 合宿するの? 坂詰 いや、泊まり込みではやらないで、何回か練習場やコースでチェックをしながらテーマを与える感じでいこうかなと。 O編 馬場さんには、大きな問題がないってことだね。 坂詰 そうですね。大きく変えるようなことはないですかね。 O編 昨年、資生堂レディスで首位に立って注目された宮田成華プロは? 坂詰 昨年は、残念ながらシードが取れなかった(メルセデスランキング79 位)ので、今年は取らせたいですね。 O編 テーマは? 坂詰 彼女の一番の魅力は飛距離なんです。ですから、そこをしっかり仕上げようと思ってます。昨シーズンは、強く振ったら曲がる状態だったので、球を置きにいくようなショットが多かったんですよ。でも、そのままだと不安は消えないし、飛距離がどんどん落ちちゃいますからね。ちゃんと振れるようにすることがテーマです。 O編 シーズン中だと、大きな修正をするのは怖いもんね。 坂詰 ええ。彼女の場合、何年か離れていて、昨年のシーズンインのタイミングでボクのところに戻ってきたんです。だから、昨シーズンは、スウィングとか未調整のまま戦わざるを得なかったんです。 坂詰 言い方は悪いかもしれないけれど、ごまかしながらプレーするしかなかったわけだね。 O編 ええ。シーズン中に技術を変えると、バラバラになっちゃう危険がありますからね。だから、スウィングはあまりいじらないで、シャフトで調整したりしてたんです。 坂詰 どういうこと? O編 彼女の場合、調子は悪くてもクラブパス(軌道)は非常に安定してたんです。つまり、球が安定しないのは、インパクトのタイミングがズレて、フェース向きが安定していないのが原因だったわけです。 ただ、そこでグリップやスウィングを矯正してしまうと、軌道も悪くなるかもしれないので、スウィングは変えず、元の軌道のまま、フェース向きが安定する(タイミングが狂いにくい)シャフトに替えることで、ショットのバラツキを抑えたんですよ。 O編 なるほど。安定した軌道という長所を生かしたまま、短所を抑えようとしたわけだね。 坂詰 ベストではないけれど、ベターかなと。
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