投資だけで金持ちにはなれない…金融エリート・肉乃小路ニクヨは語る「王道は仕事で稼げるようになって、お金を貯めること」
ドラァグクイーン、コラムニスト、YouTuberとして活躍する女装家の肉乃小路ニクヨ氏は、慶應義塾大学を卒業後、証券会社、銀行、保険会社で10年以上キャリアを積んだ金融エリートである。世の中の裏と表に精通してきた彼女を掘り下げ、その「新宿二丁目人生」の中から社会で成功するためのヒントを見つけていく。第3回では、その核心に触れていく。
20代は家賃3万2000円の風呂なしアパートに住んでいた
――お金の増やし方や投資などについてアドバイスされているニクヨさんですが、これまでにお金の失敗や苦労をされたことはありますか? ニクヨ お金で失敗したことはないですね。人生で一度も借金をしたり消費者金融を使ったりしたことはありません。 ただ、苦労はしましたよ。新卒で入った会社を病気で辞めないといけなくなってしまって、派遣社員をしながら女装を続けていた時期が29歳までありました。ワーキングプアみたいな状態も経験しました。 ――女装はお金がかかりますよね。どんな暮らしぶりでしたか? ニクヨ とにかく家賃や固定費を抑えようと、3万2000円くらいの四畳一間の風呂なし、トイレとシャワーは共同のアパートに住んでいました。だから29歳で正社員になるまでシャワーを自由に使える家に住んだことがなかったんです。 苦しかったですけど、分をわきまえながらお金を貯めるトレーニングが20代のうちにできてよかったと思っているんですよ。これを30代、40代になってやれと言われたらきついし、しんどいですからね。 ――正社員になってからはいかがでしたか? ニクヨ トレーニングのかいもあって、正社員になったらお金が貯まるんですよ。ボーナスがもらえたり、基本給プラス歩合制の営業職のようなこともしていたので、手取りがぐっと上がりました。20代後半から30代にかけては野心的に転職で給料とポジションを上げながら、なおかつ貧乏節約経験があったお陰で、順調にお金が貯まりました。