中村憲剛さんにインタビュー。レジェンドの最強の武器は「コミュ力」だった!?
サッカー元日本代表の中心選手として、川崎フロンターレの司令塔として、華々しい活躍を重ねてきた中村憲剛さん。いつもフレンドリーな笑顔を絶やさずファンにもチームメイトにも愛され、信頼されてきたレジェンドが語るコミュニケーション&リーダー論とは? 大人の“カッコいい”を取り戻せ Vol.07
サッカー元日本代表の中心選手として、川崎フロンターレの司令塔として、華々しい活躍を重ねてきたレジェンド中村憲剛さん。頭脳的な「魅せるプレー」で観客を楽しませつつ、一方でチームの要として選手同士の連携を図りながら「勝てるチーム」作りに心血を注いできました。フレンドリーな笑顔を絶やさず、常に開いた姿勢で他の選手たちとコミュニケーションし、的確なメッセージを発し続けてきた中村さんは、ファンからも、チームメイトの誰からも愛され、かつ尊敬される存在でした。 プロ生活の18年を川崎フロンターレという一つのチームに捧げてきた中村さんは、2022年、40歳を機に現役を引退、その後は解説者を務めるかたわら、日本サッカー協会や川崎フロンターレのコーチに就くなど指導者への道を進み始めています。 そんな中村さんが『中村憲剛の「こころ」の話 今日より明日を生きやすくする処方箋』(小学館)という本を上梓しました。「悩み、生きづらさ、日々のモヤモヤを晴らしたいあなたに送るメンタル本」と銘打っているものの、読んでみれば、中村さんが現役時代から、いかに悩み葛藤しながら、自分の夢を実現させてきたのかが記された、ある意味、中村憲剛流コミュニケーション論、リーダー論とも読める内容でした。 自分の「こころ」と対峙し続けることで人生を切り開いてきた中村憲剛さん流の、自分を育てる考え方とは?
その人が何を考えているかをまず知ろうと努力してきた
── サッカー選手であった中村さんが「こころ」との付き合い方をテーマにした本を出すというのは、なかなか不思議な気もしますが、どのような経緯で本が生まれたのでしょう? 中村憲剛さん(以下、中村) 現役時代からチームの内科ドクターとしてお世話になっていた木村謙介先生の言葉がきっかけでした。先生とは僕が新型コロナに罹って以降、身体のことだけでなく様々な相談をし、お話をしてきました。そのなかで、先生から僕が向き合ってきた「こころ」のあり方や変遷が多くの人にとって参考になるのではとお言葉をいただき、自分の心を改めて整理することにも意味があるのではないかと思い、本にまとめてみることにしたんです。 ── 読ませていただいて、これは中村憲剛流のコミュニケーション論、リーダー論だなと思いました。人間、結局一人で生きているわけでない以上、周りの人とどううまくやっていくかが結果に繋がるし、夢の実現にも繋がります。読者にとっても非常に活用できる内容だなと。 中村 ありがとうございます。確かに本の中でも「コミュニケーションの処方箋」という章を立てて、コミュニケーションのあり方について色々お話しています。 ── さっそくですが、LEON世代は30~40代以降が中心であり、仕事においては指導的な立場となる機会も多くなります。しかし20代などの若い部下とは、往々にしてジェネレーションギャップや常識に関する認識の差があったりするもの。コミュニケーションの難しさを感じることも多いと思うのですが、中村さんは他の世代と接する際にどんなことを大切にしてきたのでしょう?