上司「このとおりにやれば大丈夫だから」 ←気づいていない…。“部下が失敗しないように”という優しさの「代償」
部下の仕事がしやすいようにと、つい手を出しすぎてしまう上司がいます。じつは、これは「社員がやる気を失っていく上司」の典型例です。「やる気」は個人の問題と考えられがちですが、上司や周囲との関わりや、会社の制度・処遇などの影響によって「やる気が下がってしまう」ケースも少なくありません。松岡保昌氏の著書『こうして社員は、やる気を失っていく』(日本実業出版社)より一部抜粋し、改善策を見ていきましょう。
--------------------------------------------------- 【上司タイプ】1から10まで指示する上司 ⇒コントロールできる部分を与えない。 ---------------------------------------------------
「失敗させないように」がアダとなる――過干渉・過保護上司
長年上司が担当していた営業先を引き継ぎ、はじめて販売促進のイベントのチーフを任されたAさん。最高のチームをつくりたいと意気込んでいた。そこで、上司との打ち合わせをしたときのこと。 --------------------------------------------- 上司「これ、過去のこの会社のイベントに関わる資料一式そろえておいたから。初のチーフ、期待しているよ」 Aさん「ありがとうございます!」 上司「ちなみに、今回のチームのメンバーはBさんとCさんで。もう本人たちには伝えてあるし、みんな乗り気だったから、チーフとしてもやりやすいだろう。協力会社は、こことここには話を通してある。これらの会社はよくわかっているところだから、任せておけば安心だ。まずは、ここに連絡をとって進めていけばいい。もし何かわからないことがあったら、いつでも相談してくれ。どうすればいいか教えるから」 Aさん「はい…」 --------------------------------------------- 部下の仕事がしやすいようにと、つい手を出しすぎてしまう上司がいます。失敗しないようにと、事細かに手順書を準備して、「このとおりにやれば大丈夫だから」と部下に考えるスキを与えない上司もいます。それがじつは、部下のやる気を下げていることに気づいていません。