「中居正広は引退しろ」「フジの放送免許を取り消せ」と叩きまくる人の“正義”に抱く違和感…厳罰を求めるムードが高まる一方で、何が見落とされているのか?
中には「放送免許取り消しにしろ」という声も散見されますが、そのような極論で迫るのではなく、「この問題を報じないことは被害者保護の論点から理解できる」「でも番組休止の理由や再開の基準などは放送局として説明するべき」「否定だけでなく、該当社員への聞き取りなど外部の調査が必要では?」などの建設的な声をあげたいところです。 批判が殺到する背景には、旧ジャニーズ事務所への忖度などテレビ業界全体への不信感があるのは間違いないでしょう。ただ、「その不信感を利用して収益をあげようとするネットメディアが多い」ことも事実。
特に2010年代から「フジテレビを叩けばPVがとれる」はネットメディアのセオリーであり、「同局に責任を問う流れに持ち込めば、さらなるPVアップが狙える」と考えている媒体が多いこともまた事実でしょう。 フジテレビやテレビ業界への不信があったとしても、それと今回の問題を混同して考えるのは、批判記事で稼ごうとする一部ネットメディアの思うつぼ。物事を批判しやすいように単純化して怒りを集約し、さらに長期化させて稼ごうとするネットメディアの誘いに乗ることは賢い人の行動には見えないのです。
皆さんにとって大切なのは、週刊誌の思惑に乗って感情や言動を振り回されないこと。一連の報道を「被害者の復讐」と決めつけ、「9000万円もらって週刊誌にしゃべってたらひどい」などと批判する人がいますが、このような書き込みで訴えられるような事態は避けたいところです。 ■中居さん出演の過去番組やSMAPの楽曲は使用できる? 最後に渦中の人となっている中居さんに話を戻すと、自身のコメントに「今後の芸能活動についても 支障なく続けられることになりました」というフレーズがあり、これが人々の新たな怒りを買ってしまいました。
もともと芸能人は世間の人々とスポンサーあっての職業であり、両者の反応を無視して活動するのは難しいところがあります。もし当事者間で解決し、法的にも問題なかったとしても、世間の人々とスポンサーに受け入れてもらえない状況が続く限り、今までのようにテレビ出演することは難しいでしょう。 実際、法的に問題ないスキャンダルでもイメージダウンなどから仕事が激減してしまう芸能人が少なくありません。しかもこれらは世間の人々もスポンサーも知っていることだけに、トラブルを起こした本人が「続けられることになりました」と宣言したことでさらなるイメージダウンを招いてしまいました。