アメリカで来春ラグビーのプロリーグ誕生 ビジネスとして勝算はあるのか?
イングランドで今秋開かれたラグビーのワールドカップ・グループリーグで、日本代表とも対戦したアメリカ代表。大会の成績は4戦全敗と散々なものでしたが、アメリカではこの10年でラグビーの競技人口が急増し、競技人口だけでいえば、世界トップクラスに入るまでになりました。ラグビー人気が少しずつ上昇するなか、来年からは6チームによるプロリーグがスタート。再来年にはカナダのチームも参入する見通しです。野球やアメリカンフットボールといったスポーツが頂点に立つ米プロスポーツ界で、ラグビーは商業的に成功するのでしょうか? プロよりも多くの収益を上げる米大学スポーツの課題とは?
実は古いアメリカラグビーの歴史
アメリカ国内でラグビーのプロ化を目指すプロラグビー機構は先月9日、来年4月から7月にかけてアメリカ国内で初となるプロラグビーのリーグ戦を開催すると発表しました。 リーグ戦には6チームが参加し、各チーム10試合を行う予定です。同機構によると、6チームは米東部や、西部カリフォルニア州、中西部のコロラド州を本拠地とする模様ですが、現時点ではカリフォルニア州の2チームしか正式に発表されておらず、残りの4チームの詳細については追って発表される予定です。アメリカにおけるラグビーのプロリーグ立ち上げにはカナダ・ラグビー協会も関心を示しており、2017年にはカナダ国内のチームも参加し、リーグが拡大する見通しです。 これまでラグビーのプロリーグが存在しなかったアメリカ。しかし、ラグビーそのものとの関係は長く、1871年に英ロンドンでラグビー協会が正式に発足した3年後の1874年、記録上ではアメリカ初となるラグビーの試合が東部ボストンで行われています。これは地元のハーバード大学がカナダのマギル大学を招いて行ったものでした。これ以前からラグビーともサッカーとも呼べない独特のスポーツがアメリカ人学生の間で行われていましたが、ハーバード大の学生が行ったラグビーの試合は当時の学生の間で大きな話題となりました。しかし、1880年にエール大学フットボール部の主将を中心にアメリカンフットボールのルールが整備されると、学生はラグビーではなくアメリカンフットボールを選ぶようになったのです。