「財布を3つ持つ」のは多すぎるのか…人気ポッドキャスト番組で語られた2人の女性が"見ている世界"の違い
■用途別に「3つの財布」を買うに至った こうしたニーズを満たす財布を探した結果、3つの財布を買うに至りました。 ひとつはロイヤルブルーの手のひらサイズの小さい財布。小銭とお札とカードがちょっと入るぐらい。もうひとつは、チャックの付いた二つ折り。色は大胆にも白! 3つ目はカードとお札が少しだけ入れられるもの。小さな小さな鞄で出かけるときのためです。 メインがチャック付き二つ折りで、それ以外はサブ財布。 全部のニーズを満たすのは無理だったので、用途別に3つ。人によっては「多すぎる!」と思うかもしれないけれど、すべてをひとつで満たすことが難しい場合は複数選んだっていいんだよ。 こんな具合に、私の場合、「欲しい」の理由やニーズは明快なので「欲しい」と思ったら、かなりの短期間のうちにきっちり手に入れています。 さて、後日談。手のひらサイズの方はどちらも使い勝手がよく、頻繁に使用しています。一方、二つ折りの白財布は……。なんだかね、とってもかわいい財布なのです。 愛着が思わぬ方向に湧いてしまい、汚れるのが嫌で嫌でしばらく巾着に入れて使用していました。つまり、不便! そこで「ガシガシ使えなければ財布じゃねえ!」とばかりに、私はまた財布を新調しました。 ■「サッと切り替えた方がいいこと」はたくさんある 今ふと思ったけれど、人によってはこれを「財布選びに失敗した」と記憶するのだろうな。事前に気づけなかった自分を責めたりするのかも。 いやいや、失敗なわけありません。欲しいものを選んで使ってみたら、思わぬ弱点があったので、別のを新調しただけの話。試してみないとわからないことがあるんだから、これは事前に気づけなくたっていいこと。 新しいのは黒の二つ折りです。チャックは付いていないけれど、ボタンが付いているので問題なし。 突然主語が大きくなりますが、生きることは選択の繰り返しで、つまりはトライアル&エラーの繰り返しでもあります。絶対にすべてをうまくやる必要なんてないし、そうできなかったことで自分の価値が毀損されることもありません。失敗があることは大前提。「違ったわ!」と思ったら、進む道を変えればいいだけなので。いや、それを失敗と定義するのも私は違和感があります。「違ったな」くらいのライトな感覚。 もちろん、物事には粘り強く頑張った方がいいこともある。しかし、サッと切り替えた方がいいことも同じくらいあるのですよ。 ---------- ジェーン・スー(じぇーん・すー) 作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティ 1973年、東京生まれ。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」、ポッドキャスト番組「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」のパーソナリティとして活躍中。著書に『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(第31回講談社エッセイ賞受賞)、『生きるとか死ぬとか父親とか』『おつかれ、今日の私。』『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』などがある。 ---------- ---------- 桜林 直子(さくらばやし・なおこ) 雑談の人 1978年、東京生まれ。洋菓子業界で12年の会社員を経て2011年に独立。クッキーショップ「SAC about cookies」を開店(現在はオンライン販売のみ)。noteで発表したエッセイが注目を集め、ドキュメント番組『セブンルール』に出演。20年より「雑談の人」という看板を掲げ、マンツーマン雑談サービス「サクちゃん聞いて」を主宰。著書に『世界は夢組と叶え組でできている』がある。 ----------
作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティ ジェーン・スー、雑談の人 桜林 直子