酪農家1年で700戸減 飼料高で離農ペース加速 2月現在
酪農家の戸数が2024年2月1日現在で前年比5・6%(700戸)減の1万1900戸となり、離農ペースが加速していることが、農水省が公表した畜産統計で分かった。飼料代など生産費の高騰による経営悪化などが影響した。豚の飼養戸数は、同7・1%(240戸)減の3130戸、肉用牛では同5・4%(2100戸)減の3万6500戸となった。 畜産農家は、高齢化や後継者不足などで畜種にかかわらず減少傾向にある。酪農では、毎年3、4%ほど減ってきていたが、23年は5・3%と大きく減少。24年は減少率がさらに拡大し、ここ10年では最大となった。24年の飼養頭数は、前年比3・2%(4万3000頭)減の131万3000頭。23年の同1・1%減と比べて大きく減らした。生乳の需給緩和を受けた生産抑制などが影響したとみられる。 肉用牛の飼養頭数は、同0・6%(1万5000頭)減の267万2000頭。豚は、同1・8%(15万8000頭)減の879万8000頭だった。 採卵鶏とブロイラーの飼養戸数は、それぞれ同3%(50戸)減の1640戸、同2・4%(50戸)減の2050戸と、減少が比較的ゆるやかだった。飼養羽数は、採卵鶏では鳥インフルエンザ発生後の再導入が進み、同0・9%(115万羽)増の1億2972万9000羽(成鶏雌)。ブロイラーでは堅調な鶏肉需要に支えられ、同2・4%(339万6000羽)増の1億4485万9000羽となった。 一方、1戸当たりの飼養頭数・羽数はいずれも増え、大規模化が進んだ。酪農は同2・5%増の110・3頭、肉用牛は同5・2%増の73・2頭、豚は同5・8%増の2810・9頭、採卵鶏は同3・9%増の7万9100羽、ブロイラーは同4・9%増の7万700羽となった。
日本農業新聞