トランプ氏、落選候補を相次ぎ要職に 元アメフト選手はバハマ大使
トランプ次期米大統領は17日、アメリカンフットボールの元スター選手のハーシェル・ウォーカー氏を駐バハマ大使に起用する意向を発表した。ウォーカー氏は2022年の上院選ジョージア州選挙区で落選していた。トランプ氏は22年中間選挙の注目区で敗れたトランプ派候補を相次いで要職に起用し、落選候補の「救済措置」をとっている。 トランプ氏は大使人事などで、親族や大口献金者も優遇しており、「コネ重視」が前面に出ている。 ウォーカー氏はジョージア大学のスター選手で、大学フットボールの最優秀選手に輝いた。トランプ氏が1980年代に一時保有していたプロチームでプレーした経験もある。22年上院選では知名度を生かして善戦したが、女性スキャンダルなどもあって落選していた。 トランプ氏は次期政権の高官人事で、22年アリゾナ州知事選や24年上院選アリゾナ州選挙区の候補だった元テレビキャスターのカリ・レーク氏を政府系放送局「ボイス・オブ・アメリカ」のトップ、22年上院選ペンシルベニア州選挙区の候補だった医師のメフメット・オズ氏を公的医療保険制度を管轄する政府機関のトップに起用する方針を発表している。 22年上院選ではトランプ氏が推す候補が共和党予備選を次々と勝ち抜き、21年の大統領退任後も影響力を維持していることを実証したが、本選ではトランプ派は苦戦していた。「トランプ氏は党内の争いでは強いが、民主党相手には弱い」との評価もあったが、今回の大統領選でこうした見方を覆した。【ワシントン秋山信一】