（ブルームバーグ）： 昨年起きたシーク教指導者の殺害などを巡ってカナダとインドが対立している問題で、インド政府は、この外交問題がさらに悪化した場合に同国高官が訴追される恐れもあると身構えている。この問題に詳しいインド政府関係者が明かした。

インドでのカナダ人殺害や恐喝に、インド人外交官や工作員の関与があった疑いをカナダ警察が示唆し、両国は14日、互いの外交官を追放。対立が再び深刻化した。

インド政府は、両国の関係が悪化した際のさまざまなシナリオを検討している。領事館の閉鎖、インド人に対するビザ発給の遅延、カナダでインド政府高官が法廷への出頭を命じられたり訴追されたりするリスクがあるだろうと、関係者は説明。微妙な問題だとして、関係者は匿名を要請した。

この関係者は、どの政府関係者が訴追される可能性があるのかについては明らかにしなかった。インド外相に詳細な情報を求めて電子メールで問い合わせたが、返答はなかった。

インドはカナダ警察の主張を否定している。インド当局者は、この件に関する詳細がインド政府に提供されていないと述べたが、カナダ当局は14日、インドと情報を共有し、協議したと発表している。

インドのモディ政権は、外交官の減少によりインド国内のカナダ領事館が閉鎖される可能性を懸念している。そうなればビザ発給の遅延を招き、両国間を頻繁に行き来する多くのインド系移民をいら立たせることになる、と政府関係者は述べた。

カナダでは、約42万7000人のインド人留学生が学んでいる。政府のデータによると、カナダにはインド系カナダ人が100万人以上、非居住インド人が約100万人いる。

原題：India Sees Risk That Canada Will Charge Government Officials (1)（抜粋）

--取材協力：Laura Dhillon Kane.

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