立浪和義が中日でやりたかった野球とはなんだったのか? 里崎智也と五十嵐亮太は「不透明なまま」と厳しい評価
里崎 育成から支配下になった松木平優太を大切に育てたり、リハビリ明けの梅津晃大を中10日ぐらいで回しながら、ケガのなかでマネジメントを試みたり、いろいろやるべきことは遂行できていたと思う。確かに先発陣の誤算はあるけど、それでも彼らが5、6回を投げてくれたら、「あとはリリーフよろしく」でいい。一応の勝ちパターンがあるというのは他球団に引けを取らない強みですよ。 五十嵐 その点は、「勝利の方程式」が崩壊したまま、最後まで固定できなかったヤクルトとの違いですね。ただ、最初の話題に戻るけど、立浪監督がやりたかったことはなんだったのか、それは実現できたのかという点は不透明なままだし、「得点力不足の解消」がなされていない以上は、厳しい評価を下さざるを得ないですね。 里崎 監督の評価は結果だけしかない。打撃陣でいえば、確かに課題は解消していないよね。でも、二遊間を中心に若い選手が育ちつつあって、投手陣も多少の誤算はありながらも、整備されつつあるね。 五十嵐 今シーズンの開幕前は評論家の評価も高かったですね。やはり、質量ともに揃っていた先発陣と盤石のリリーフ陣がいるのは心強いから。とにもかくにも「課題は打線」ですね。 里崎 そう、ドラゴンズは前評判はそんなに悪くなかった。でも、思いどおりにいかないのが難しいところだよね。 五十嵐 一方で、何かのきっかけでガラッと変わる可能性も感じますよね。立浪監督就任以来、3年続けて下位に沈んでいるけれど、来シーズン以降、何かのはずみで一気に浮上する可能性も高いと思います。 里崎 その「何か」を見つけること、引き出すことが難しいんだけどね(笑)。 (中編:佐々木朗希の5年目をふたりがズバリ評価 メジャーに移籍しても通用するのか?>>)
長谷川晶一●文 text by Hasegawa Shoichi