「DAIGAKU」の不安を遊んで解消 大学生が開発したボードゲームでクラファンに挑戦
いまのリアルな大学生活を疑似体験できるボードゲーム「DAIGAKU」を、大阪大学の学生たちが作りました。大学に入ったばかりの学生や高校生たちに、どんな大学生活が待っているのかを、ゲームで遊びながら感じてもらおうというものです。現在は製品化のためにクラウドファンディングにも挑戦しています。開発にかける思いをプロジェクトチームのメンバーに聞きました。 【写真】「予想に反して単位が…」実体験が生きているイベントカード
大阪大学大学院人間科学研究科の萩原広道助教が、学生とともにボードゲーム「DAIGAKU」を作るようになったきっかけは、2023年度前期に受け持った授業でした。 「1年生向けの少人数ゼミで、大学生活を疑似体験できるボードゲームの開発、研究に取り組むことになりました。これは私が京都大学の大学院生のときに、仲間とともに開発したボードゲームをもとにしています。当時、ターゲットにしたのは、自分たちよりも上の世代で、かつての大学のイメージと今の大学生活のギャップを埋めることが目的でした。しかし、ゼミで学生と議論するなかで、入学直後は右も左もわからず不安だったといった声があり、このボードゲームは大学進学を考えている高校生や現役大学生が、進路を考えたり不安や悩みを解消したりすることに役立つのではないかと思いました。授業内のプロジェクトにしておくのはもったいないと有志を募り、一般販売を目指して、現在は4人の学生と一緒に開発に取り組んでいます」 ボードゲームというと、すごろくのようにさいころの運で進んでいくゲームを思い浮かべますが、「DAIGAKU」のプレーヤーは「授業に出る」「サークルに参加する」といったアクションを自分で選んで進んでいきます。各プレーヤーは人生ゲームのようにコマを持っていて、自分の番が来たら、コマを盤面に置いたり、カードを引いたりしてゲームを進めていきます。「ゼミの発表で頑張ったからおいしいランチに行く」「教習所に通って免許が取れた」などのイベントカードで点数が加算されていきます。イベントカードによっては「単位を落とした」「親の収入が下がった」といった壁にぶつかり、点数が減点されていきます。勝利の条件は、「大学生活の充実度が高いこと」です。「リア充」を競います。 「このゲームは、アクションを起こすと、『充実度』が高くなっていきます。大学生活で何に重点を置いて、どんなことに時間を割くのかということを『いそしみ』と呼び、『勉学/進学』『バイト』『のんびり』『資格取得』『サークル/部活』『ソロ活/趣味』などから自分で選びます。何に打ち込むかによって、得点がたまりやすいイベントの種類も変わってきます。ただし、ハプニングが起こると点数を失うこともあり、重点を置く分野を途中で変更することもできます。実際の大学生活でも、ハプニングによって臨機応変に対応していかなければならない場面がありますから」