激戦区・埼玉西部地区にふさわしい好ゲーム!狭山ヶ丘が進学校・県川越を下し、県大会出場!【24年秋・埼玉地区予選】
<秋季埼玉県大会西部地区トーナメント 代表決定戦:狭山ヶ丘 6ー4 県川越>◇2024年9月9日◇所沢航空公園球場 【動画】批判も糧に挑戦続ける33歳の青年監督。今春からは異例のチャレンジへ... 埼玉県の秋季大会は、9月になって4地区で開幕。いよいよ代表決定戦となった。埼玉県の中では、西部地区が最も激戦だとも言われている。山村学園を筆頭に、聖望学園、川越東など県大会でも上位に勝ち進むチームが多く存在し、毎年、激しい戦いを繰り広げている。 狭山ヶ丘もそんな学校の一つと言えよう。一方の県川越は、県内有数の進学校でもあり埼玉県独特の県立男子校の一つでもある。何となく旧制中学の気質を匂わせるような学校とも言えようか。 試合は初回、先攻の狭山ヶ丘が野村蒼汰選手(2年)の二塁打と続く渡井瑛司選手(1年)の中前打であっさりと先制。さらに、内野ゴロで一死三塁として4番早川大地選手(2年)の右線三塁打などでさらに2点を追加していきなり3点を先取した。しかしその裏、県川越も四球とバントで走者を進め、4番阿部健吾選手(2年)の左前打で1点を返す。初回から、激しく試合が動いていくかと思われた。 ところが2回以降、狭山ヶ丘の澤和輝投手(2年)と川越の平佐悠樹投手(2年)は、すっかり立ち直った。自分のリズムの投球を組み立てていって、その後は0が並んだ。ことに、澤投手は2回から6回まで、しっかりと3人ずつで抑えていくパーフェクトな内容だった。平佐投手も安打はされても盗塁を刺したり、塁上でアウトを取るなど、守りにも助けられた形で抑えていた。 初回の攻防とはまったく別の展開で、投手戦の様相となった。そして6回、狭山ヶ丘は早川選手の二塁打を近藤立輝選手(2年)の中前打で還して4点目。試合の流れとしても大きな1点かと思われた。 ところが、狭山ヶ丘の熊谷昌人監督は7回からエースナンバーをつけた松江敦輝投手(2年)を投入すると、いきなり連打とバントで一死二、三塁のピンチ。ここから川越は中田響史郎選手(2年)、畑和磨選手(1年)の連打で2点を返して1点差。残り2イニング。展開がわからなくなってきたが、9回に狭山ヶ丘は相手失策で2点を貰う。今度こそ決着かと思われたが、その裏の川越は、一死から連打と失策で満塁とし、死球押し出しで2点差としてなおも一死満塁。一打で同点、長打で逆転サヨナラという場面で上位に回ってきた。しかし、最後は1番長谷川廉選手(2年)が好打するも併殺打となり試合終了。 最後までどうなるかわからないゲームだった。県川越の林岳彦監督は、「追い上げて食い下がったものの、あと一歩届かなかった」と語った。 狭山ヶ丘の熊谷監督は、「継投は予定していたことなんでしたが、裏目に出てしまいました。あそこは続投させておくべきだったのでしょうか。ただ、(澤投手はこれまで)完投していないので、想定通りの継投だったんですけれどもねぇ。松江が、こんなに掴まったのはちょっと想定外でした」と、反省しきりの様子だった。