<電気自動車で日本一周>EVが似合う風景
「EVスーパーセブン急速充電の旅」(日本EVクラブ主催)で、9月24日に東京を出発した手作り電気自動車が、およそ半分の旅程を無事に走って大阪に到達した。今までの急速充電回数は74回。走行距離はおよそ3733kmとなっている。旅への挑戦を主催する日本EVクラブでは特設サイトを開設。レポートドライバーの寄本好則氏が、毎日旅先での充電の様子や出会い、印象的な風景などを伝えるブログを更新している。 EVスーパーセブンは、英国製の人気スポーツカーであるスーパーセブン(ケータハム製)を、日本EVクラブ(代表:舘内端)と八戸市の自動車整備会社『東北自動車』が手作りで電気自動車に改造したもので、日本発の急速充電規格である「チャデモ」に対応している。
青森県の奥入瀬渓流にて
* * * 青森県の奥入瀬渓流では晴天に恵まれた。景勝地として名高い清流と森の道をEVのオープンカーで走るのは、この上なく爽快な経験だった。EVは「エコカー」であると思われている。もちろんエコロジーなクルマだが、それだけじゃない。音が静かというだけで、自然との距離は近くなる。本来スーパーセブンは、たとえば足元が熱くなったりして運転するのが大変なクルマだが、EVになることで乗る人に優しいクルマに変貌する。EVは、クルマ本来の楽しさを手軽に味わうための技術でもあるといえるのだ。
青森県六ヶ所村にて
旅の中で「電気自動車も、結局は火力発電に頼る現状ではゼロエミッションの理想にはほど遠いのでは」という疑問をよく耳にする。その通りだ。だからこそ、自然エネルギーへの転換に日本は本気で取り組むべきだと思う。EVはどんな方法で作った電気でも走ることができる。クルマという移動手段を将来も使い続けるための賢明な選択肢だということが、意外なほど理解されていない。EVに乗ると、クルマで走るために使っているエネルギーの大きさを実感して、自分が使うエネルギーに敏感になる。これもまた、あまり知られていないEVの魅力のひとつだと思う。