パチンコホール「ガイア」の倒産が巻き起こした‟パチンコ業界の悪循環”。中小ホールは死活問題に
パチンコ業界が陥る悪循環
また、パチンコ業界が陥り始めている悪循環も、今後は大きな問題となって襲いかかると指摘する。 「パチンコは出ないホールにはお客さんは行きません。そうなると売上が減るのは火を見るよりも明らかです。おまけに新台価格や中古台、光熱費、人件費の高騰で利益率はさらに減っていき、ホールはさらに出玉を削って利益を確保しようとします。その結果、客が離れるだけでなく、『パチンコ=出ない』や『パチンコ=負けて当然』という見方が一般化してしまうと、新規のファンを獲得するのも難しくなるでしょう。完全に悪循環に陥っているのです」
業界一丸となって打開策を考える時が来た
調査員は、「この悪循環は業界全体の問題として捉えなければ、パチンコ業界はますます厳しくなる」と話す。 「パチンコ業界は特殊な業界と言われますが、顧客離れや規制によって環境が変化して問題化するということは、パチンコ業界だけに起こる問題ではありません。他の業界の場合、規制が入って客が離れたなら、どう顧客満足度を上げるかを考えて問題を解決し、利益を上げるかを考えるでしょう。しかしパチンコ業界は『規制が入ったから客が離れた』と行政に対して恨み節を言うばかり。エンターテインメント産業なんですから、客を喜ばせる方法をもっと考えるべきだと思います。 加えてこうした規制に対して、行政や管轄する警察庁に対してのアプローチが、パチンコ業界は非常に弱い。ホール、メーカーなどが一丸となってアプローチしていくべきでしょう。よくパチンコ業界は警察の天下りでベッタリなんて言われますが、それならそういう方をもっと使ってネゴシエーションしていくべきです」 今のパチンコ業界は手をこまねいている暇などないのである。 取材・文/日刊SPA!取材班
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