『Disco Elysium』や開発中止された続編プロジェクトの開発者たちによる新スタジオLongdueの設立が発表。精神的後継作となるRPG作品を開発中
ロンドンを拠点とする新たなインディーゲームスタジオLongdueの設立が発表された。世界的に高い評価を受けたZA/UMのRPG『Disco Elysium』および開発中止された続編プロジェクトに関わったスタッフたちが参加しており、同作の精神的後継作となることを目指したRPG作品を手掛けているという。 プレスリリースによるとこの作品は“心理地理学的RPG”と称するメカニズムを採用するそうで、プレイヤーの決断がキャラクターの心理だけでなく周囲の環境そのものも変化させていくような仕掛けになっているそう。『Disco Elysium』といえば主人公の内的な思考が非常に特徴的な要素だったので、この新たな仕組みによりどんな体験ができるのか気になるところだ。 『Disco Elysium』は、記憶喪失の刑事となってとある殺人事件を捜査していくコンピューターRPG作品。アクションや戦闘コマンドではなくさまざまな選択肢に対するテーブルトークRPG的なスキルチェックで対処を試みる構成や、政治思想や宗教のレベルに至るまで構成された架空世界、プレイにより大きな違いが出てくるキャラクターの心理描写などが世界的に高い評価を受けた。海外では2019年にPC/Mac向けに発売され、後にファイナルカット版で日本語対応しているほか、家庭用ゲーム機版も国内展開されている。 ZA/UMでは複数のプロジェクトが動いていたが、創設メンバーでもあるメインクリエイターたちと経営側のあるプロデューサー間での内紛状態となり、前者が解雇されてしまうという事態に。その後、完全続編となる予定だったプロジェクトや、それとは別に有望視されていたというスピンオフ的な続編プロジェクトなどが開発中止となったとされている。 なおLongdueの具体的な参加スタッフはあまり明かされておらず、元ZA/UM系のメンバーが関わっていたのが前述のプロジェクトのどちらなのかも不明だ(ちなみに『Destiny 2』などに関わったシナリオライターのGrant Roberts氏がナラティブディレクターを務める事がわかっているが、同氏は元ZA/UMではない)。 また、ZA/UMを辞めたメンバーによるスタジオは複数存在するようだ。たとえば『Disco Elysium』を構想した中心人物でありゲームデザインと執筆の双方を手掛けたRobert Kurvitz氏はLongdueに参加しておらず、Red Infoという会社を設立して準備を進めている模様(イギリスでの登記情報による)。一方で、プロジェクトを初期から支援したエグゼクティブプロデューサーであるKaur Kender氏が設立したDARK MATH GAMESという会社も存在し(同)、エストニアのDigiPRO誌によるとこちらにも元関係者が集まっているとされる。 (2024年10月12日午前1時半追記: DARK MATH GAMESが正式に設立を発表し、『XXX Nightshift』なる新作の映像を公開している)