バイナンスが今年ベンチャーキャピタル部門を分離
暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)は、今年ベンチャーキャピタル部門であるバイナンス・ラボ(Binance Labs)を分離させていた。ブルームバーグが15日に報じたもので、これは昨年11月に「CZ」ことチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏の後任となったリチャード・テン(Richard Teng)新CEOの最も注目すべき行動の一つだと指摘している。 バイナンス・ラボはウェブサイトに「独立したベンチャーであり、バイナンス・グループの一部ではない」という免責事項を掲載している。同社は「バイナンスから商標使用のライセンスを取得しているが、それ以外の点ではバイナンス・グループとはいかなる関係も持たない」としている。 テンCEOは、バイナンスの共同設立者であるジャオ氏がアメリカで制裁と送金法違反の罪で有罪を認めたことを受けて後任となった。アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM:Abu Dhabi Global Market)の金融サービス規制局(Financial Services Regulatory Authority)やシンガポール金融管理局(MAS)で勤務したことがあるテン氏の経歴を考慮すると、この任命はバイナンスでの規制順守強化に向けた舵取りの表れとみなされた。 バイナンス・ラボがまだ「バイナンスのベンチャーキャピタル部門およびアクセラレーター」と名乗っていた2月のブログ投稿では、同社は評価額が100億ドル(約1兆5000億円、1ドル150円換算)で、ポートフォリオにはイーサリアムのサイドチェーンでありポリゴン(Polygon)やスポーツに特化したブロックチェーンプロバイダーのチリーズ(Chiliz)など約250社が含まれていると述べた。 CoinGeckoによる昨年の調査によると、バイナンス・ラボは2023年9月時点で合計177件の投資を行っており、同業他社の中で活発さを比較すると9位に位置する。パンテラ・キャピタル(Pantera Capital)やデジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group)などの企業と同等の数字であり、アニモカ・ブランズ(Animoca Brands)よりはやや少ない。コインベース・ベンチャーズ(Coinbase Ventures)は同じ期間で372件の投資を行っており、暗号資産ベンチャーキャピタル企業の中では圧倒的に活発だった。 バイナンス・ラボもバイナンスも、さらなるコメントを求めたCoinDeskの要請には応じなかった。 |翻訳・編集:林理南|画像:Danny Nelson/CoinDesk|原文:Binance Spun Off Venture Capital Arm Earlier This Year
CoinDesk Japan 編集部