野球強豪校の誘い断り、無名の公立高へ…広島の左腕が「V奪回のキーマン」に
高校時代は森下を参考に
玉村は高校時代に春木監督と様々な投手の映像を見ながら、意見を頻繁に交わしていたという。春木監督はこう証言している。 「あるとき見つけたのが、(当時明大の)森下(森下暢仁)投手の映像でした。玉村は柔らかさがあって、その腕で投げているところがありました。でも、下半身が使えていないので、球質が軽かったです。大事なところで長打を打たれることがありました。森下投手は柔らかいのですが、下半身も使って投げている印象でした。胸の張り方にも素晴らしいものを感じました。そのあたりを意識して玉村とキャッチボールをやってみると、ボールは重くなって、受ける私の手が痛いくらいでした。お互い現状に満足せずやれました。チャレンジして失うものはないという思いは一緒でしたから」 運命の糸で結ばれていたのだろう。森下が広島にドラフト1位で指名されると、玉村も6位で入団。同期の絆で結ばれた両投手は切磋琢磨している。目指すはリーグ優勝。ラストスパートで白星を積み上げる。 写真=BBM
週刊ベースボール