円は逆風に直面、FRB大幅利下げ効果も相殺か-海外投資や低利回り
しんきんアセットマネジメント投信の加藤純チーフマーケットアナリストは、「実質金利がまだマイナスの円は売られやすい」と指摘。「米経済もそこまで急失速というわけでもないことを考えると、日米の実質金利差も劇的な縮小という局面は一服する可能性もある」と話す。
日銀は20日、政策金利を0.25%で据え置いた。植田総裁は、年初以降の円安に伴う物価の上振れリスクは相応に減少しているとし、政策判断に当たっては「時間的な余裕はある」と述べた。
円高の持続性に対する疑念から、投機筋が21年以来の高水準となっている円買いポジションを再考する可能性もあろう。円金利が他国と比べて低いということは、利回り格差を相殺するほど円高が進まない限り、投資家は円買いポジションで損失を抱えることを意味する。
東海東京インテリジェンス・ラボの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは、投機筋が「これ以上、円の買いポジションを積み増すのは難しい状況」だとみる。「米国債は既に相当利下げを織り込んでいる」ため、日米の実質金利差を背景とした「円買い圧力はすでにピークアウトしているのではないか」と述べた。
--取材協力:船曳三郎、日高正裕.
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Masaki Kondo, Daisuke Sakai