女性の時計コレクターが急増中?──「女性たちはついに、ラグジュアリーで堅苦しい男たちの集いを壊そうとしている」
女性の時計コレクター
ブリン・ウォールナー(以下ウォールナー) ジニー、オーデマ ピゲに入社以来、どんな変化がありましたか? ジニー・ライト(以下ライト) パンデミックで人々が家で退屈していたとき、時計は若者、老人、女性、男性、誰であれ、人々を魅了するカテゴリーのひとつになりました。148年間続いているブランドで働く以上、私たちの主な仕事は、次の148年間もブランドを存続させることです。と考えれば、少なくともアメリカでは、大学生の65%、大学院生の62.9%を占める女性を無視できないでしょう。これはすべて私たちの経済に影響を与えるものであり、私たちはその未来に備えなければなりません。 ウォールナー レベッカ、世界中のオ ークションで時計部門にとって記録的な年となった2020年と2021年について教えてください。 レベッカ・ロス(以下ロス) 他の産業と比べると、まだまだ時計業界は小さいと感じます。しかし、ベゼルやコレクタビリティのような若い新興企業が、時計専門家のノウハウと技術を組み合わせることで利益を得ています。コミュニティをより大きく、より多様で、より興味深いものにしている企業が、今まさに融合しているのです。これは、コレクションのコミュニティのありかたを反映したものです。 ウォールナー ローレンもコレクターの一人ですね。初めてロレックスを買ったのはショッピングモールでしたよね! でも、もうそんな時代は終わったんじゃないでしょうか。時計業界はどう変化しましたか? ローレン・ハーウェル・ゴッドフリー(以下ゴッドフリー) 特殊な視点からいえることは、時計へのアクセスがより制限されるようになったことです。以前は店頭ですぐに手に入った時計が、より人間関係に基づいて買うように変わってきています。よいコレクター、そして時計に興味を示すバイヤーになることで、私の時計へのアクセスはより深いものとなりました。これがヴィンテージの世界へと私を導いてくれた理由です。 ウォールナー オークションで時計を買ったことはありますか? ゴッドフリー 興味はあるけど、まだ買ったことはありません。ラグジュアリーの世界にいながら、オークションで時計を手に入れる方法をまったく理解していないのかもしれない。正直、縁がないのです。 ロス “ラグジュアリー”というフィルターでふるいにかけられた後、女性コレクターの多くが私たちのところにやってきます。 ウォールナー オークションの現場では、男性はまだ女性を大きく上回っていますか? ロス ビッダーやバイヤーを見れば、確かにまだ男性優位です。でも買い付けや委託をする女性が増えているのは確かです。改善されてきてはいますが、まだまだこれからですね。しかし、興味深いのは、時計というステータスシンボルが、歴史的に女性が所有を憧れていた婚約指輪を凌駕しつつあることでしょう。婚約指輪が他人への愛を意味するように、時計は自分自身への愛と自分の功績を称えるものなのです。