第93回選抜高校野球 新庄野球で旋風を “冬”乗り越え3回目(その2止) /広島
◇広がる夢と可能性 広島新庄に春の知らせが届いた。新型コロナウイルスの影響で部活動が一時制限された20年、チームは春に就任した宇多村聡監督(34)のもと「スモール・ベースボール」を追求。昨秋の中国地区大会は、左右の2投手を軸とした堅守と集中打で、準々決勝から決勝までの3試合を全て1点差で制した。 140キロ台の速球と縦の変化球を武器とする右腕の花田侑樹投手(2年)から、キレのある球が特徴で「中国地区ナンバーワン左腕」とも評される秋山恭平投手(同)への継投が必勝パターン。打線は中軸を担う瀬尾秀太(同)、藤川蓮(同)の両選手から下位まで切れ目がない。 選手の多くは、センバツの代替大会として昨夏開かれた交流試合で甲子園を経験済み。1番を打つ機会が多い大可尭明(おおかたかあき)主将(同)は「経験も糧に、優勝を目指して戦う。誰よりも多く出塁したい」と話す。 宇多村監督は「全部員の思いを一つにし、一戦一戦に臨む」と意気込む。大舞台では犠打を中心とした伝統の“小さな野球”に加え、勝負どころでの強攻策など打撃力を生かした多彩な作戦も取り入れていく。紫紺の優勝旗を北広島町に持ち帰る決意だ。【中島昭浩】 ◆学校プロフィル ◇OBに永川勝浩さんなど 学校のある芸北地方を治めた戦国武将の吉川元春を顕彰し、1909年に地元有志が創立した私立校。前身は女学校と旧制中学で、太平洋戦争終結後の学制改革により、48年に男女共学の高校となった。2007年に現校名に改め、元春の信条とされる「至誠一貫」などを校訓に掲げる。 野球部は1928年創部。甲子園は2014年センバツが初出場で、夏の選手権大会も15、16年に連続出場した。OBに永川勝浩さん(元広島)、田口麗斗さん(巨人)、堀瑞輝さん(日本ハム)らがいる。 20年5月時点の生徒数は398人。スキー部なども全国レベル。広島県北広島町新庄848(0826・82・2323)。 ……………………………………………………………………………………………………… ◆対戦成績 <秋季広島県大会> ◇1回戦 崇徳 001000000=1 02003000×=5 広島新庄 ◇2回戦 広島新庄 23000004=9 00200000=2 呉 (八回コールド) ◇準々決勝 広陵 1000010=2 0220203=9 広島新庄 (七回コールド) ◇準決勝 西条農 000000001=1 00002312×=8 広島新庄 ◇決勝 広島新庄 100000000=1 000000000=0 盈進 <秋季中国地区大会> ◇1回戦 鳥取西 00000=0 00145=10 広島新庄 (五回コールド) ◇準々決勝 広島新庄 000000300=3 000000101=2 桜ケ丘 ◇準決勝 鳥取城北 010020000=3 00011110×=4 広島新庄 ◇決勝 下関国際 100010000=2 00110010×=3 広島新庄