【全文】これは「価値観の戦争」…ゼレンスキー政権キーマンに単独インタビュー「ウクライナは日々、前進している」
――7月9日で、戦争が始まってから500日を迎える。多くの人が家を失い、父親や夫を亡くした。子どもたちも亡くなった。この状況について、どう見ているか? ウクライナ人はとても構えています。大切なことがあるからです。偉大な国であることを証明しなければならないという、歴史的な瞬間だからです。ウクライナは偉大な国です。 もう1つの要素は、我々が“公正な終結”にたどり着きたいということです。公正な終結とはどういうことか、我々は分かっているし、その終結にたどり着けなければ、ロシアがこれからも我々を殺し続けるということも分かっています。 今日ではなくても、明日、明後日と戦争の次の段階が展開し、テロリズムがいつまでも続き、ロシアからの誘発が続いて、ウクライナという国が存在しなくなります。ましてや、自分の国をとても愛していて戦場で親戚を失っていた人たちも殺されます。ロシアは許すわけがないから――我々がロシアをおとしめたこと、“ロシア連邦は恐るべき国である”というロシアの主たる神話を崩したことを許すわけがないからです。 そして、我々は損害を受けたことへの賠償も受けたい。大切なことです。そして最も大切なのは、我々が「安定している世界に生きたい」ということです。言葉でだけでなく、責任を負うことを覚悟している人の世界です。 目をそらしたり、目をつぶったりしたりしないで、「ロシアはメンツを保たなければ」とか「プーチンはああいう者だ」とか言わないでほしいのです。この者は犯罪者であると言っているからには…国際刑事裁判所の逮捕状が出ていると言っているからには、プーチンは被告席に座るべきです。そうしないと、世界はいつまでも安定することはありません。我々が帝国の存在時期を終わらせなかったがために、我々の子供たちが戦争で戦わなければならない…そういった状態はあってほしくないのです。 (後編へ続く)