グレタ・ガーウィグの原点〈マンブルコア〉時代に迫る特集、好評につき全国開催
「レディ・バード」「バービー」などで今や有名監督となったグレタ・ガーウィグ。ゼロ年代には、アメリカのインディペンデント映画界で起きた〈マンブルコア〉ムーブメントの一翼を担っていた。当時の3作「ハンナだけど、生きていく!」(2007)「BAGHEAD/バッグヘッド」(2008)「ナイツ&ウィークエンズ」(2008)は、今年8~9月に東京・菊川のミニシアター〈Stranger〉で〈グレタ・ガーウィグ特集〉として上映。そこでの好評を受け、このたび同特集を10月より全国で順次開催することが決定した。
山崎まどか(コラムニスト)コメント
不安、渇望、身体的な親密さと裏腹に離れていく心、忙しない身振り。 グレタ・ガーウィグの始まりは新しい傷跡のように生々しく、痛い。 それでいて不思議な明るさがあって、ここから広がっていく世界の美しい予感に溢れている。
「ハンナだけど、生きていく!」
Hannah Takes the Stairs/2007年/アメリカ/83分 監督:ジョー・スワンバーグ 出演:グレタ・ガーウィグ、ケント・オズボーン、マーク・デュプラス、アンドリュー・ブジャルスキー、ライ・ルッソ=ヤング 大学を卒業して仕事を始めたばかりのハンナ。恋人のマイクに「仕事を辞めた」と告げられて将来に不安を覚え、彼と別れて同僚のポールと付き合い始めるが……。グレタ・ガーウィグが主演・脚本を担い新進気鋭の映画作家たちが集結した、マンブルコアを代表する青春ガーリー・ムービー。スタッフ・キャストが共同生活し、伝統的な脚本は用いず即興演技によって作り上げた。
「BAGHEAD/バッグヘッド」
Baghead/2008年/アメリカ/79分 監督:ジェイ・デュプラス、マーク・デュプラス 出演:グレタ・ガーウィグ、スティーヴ・ジシス、ロス・パートリッジ 売れない俳優のマットは友人が監督した映画に刺激を受け、俳優仲間に映画を撮ろうと呼びかける。山小屋に泊まりプロットを考える彼らだったが、奇妙な現象が続発し、予想外の展開に……。マンブルコアを代表するジェイとマークのデュプラス兄弟による長編監督第2作で、「ハンナだけど、生きていく!」でマークと共演したグレタ・ガーウィグが主演。