【大学野球】高校同期の阪神・前川右京の活躍を刺激に 21年夏の準V右腕がリーグ戦登板17試合目で初勝利
◆東京六大学野球春季リーグ戦第2週第1日▽立大1-0法大(20日・神宮) 立大は智弁学園(奈良)で2021年夏の甲子園準Vに貢献した3年生右腕・小畠一心が6安打完封。リーグ戦登板17試合目で初勝利を挙げた。 ゲームセットの瞬間、拳を握りしめ、吠えた。投手として最も過酷でしびれる「1-0完封」。今秋ドラフト上位候補の法大・篠木健太郎(4年=木更津総合)との投げ合いで達成したことに、意味があった。小畠はウィニングボールを握りしめ、一瞬の余韻に浸った。 「素直にうれしいです。篠木さんはいいピッチャーで、もちろん目指すべき存在。流れを向こうに渡してしまうと、試合が不利に進むので、流れを渡さないことを意識して投げました」 ストレートを軸にフォークやスライダーを操った。6四死球と走者を背負うが「この番号(18番)をつけて投げさせてもらっている。自分の表情や動きは絶対、チームに連鎖する。自分がしっかりしていこうと投げています」と強い心で勝負した。要所を締め、魂の132球でスコアボードに9つの0を並べた。 高校では阪神・前川右京とチームメート。今もLINEで連絡を取り、「ちょくちょくお互いの試合を見たりするので。良かったね、とかそういうやりとりをしています」という仲だ。「すごく練習する選手。1軍に出てくる理由があると思います」と活躍を刺激にして、力投につなげた。 就任以来、僅差の試合が続く木村泰雄監督も「勝つと負けるとでは大違い。小畠が一人で投げきってくれて、1点を守ってくれて感謝しかない。本来の力を出し切っていて、安心して見ていた」と称賛した。 「チームの優勝に少しでも近づけるような、流れをもって来られる投球をしたい」と小畠。今年のセントポールには、頼れる背番号18がいる。(加藤 弘士)
報知新聞社