福島県いわき市・清水敏男市長の会見(全文1)復興に向けてのさまざまな課題
復興に向けてのさまざまな課題
復興に向けてはさまざまな課題があります。まず、津波被害を受けました、今後、住むことが適切でない、市内4地区におきまして、防災集団移転促進事業、高台移転でありますけども、これを進めておりまして昨年の2月で宅地の引き渡しをすることが完了できました。また、津波被害を受けました市街地5地区におきましては、震災復興土地区画整理事業を実施しておりまして、この事業につきましても今月、宅地の一部引き渡しができるまでになりました。また、来年の12月までには全ての宅地を地主さんに引き渡すことができるめどが立ちました。 また、震災により住宅を失いまして再建することも困難な市民の皆さんのために建設する災害公営住宅、こちらにつきましては市内16カ所に1,513戸、建設を予定しているわけでありますが、今月中に全て完了いたしまして入居ができるようになりました。東日本大震災の被災地の中では、ハード面の復興については早い地区だと自負しております。 また原発事故への対応もあります。震災当初、避難区域が10キロ、20キロ、30キロと広がる中、いわき市も一部30キロに入っております。中心地はだいたい40~50キロに位置しております。当時市民の誰もが放射性物質がどういうふうに広がるかっていうのを理解しておりませんでした。同心円で広がるというふうに思いまして当時、もう逃げろ逃げろで、33万を超える本市もいっときはゴーストタウンと化してしまったときもあります。 だんだん情報が開示される中、放射性物質が風向きとか地形とかで広がり方が違うというのが分かってきまして、幸いいわき市は救われた形でいま、普通に日常の生活ができるような形になっております。そのような中ではありますけども、小さいお子さんを持つ親御さんの心配というのは今もあります。そういった中、優先的に学校や保育園、幼稚園、公園など、子供さんの生活空間の除染は全て完了しました。 いま、住宅の除染も実施しておりますが、除染して出された放射性物質を含んだ堆積物、この廃棄する場所の仮置き場の選定、設置に困難を極めているところであります。いち早く国が言う中間貯蔵施設を建設していただき、そして仮置き場にあるものをそちらのほうに運ぶ体制ができれば、除染も進むと思っております。市内の居住空間につきましては、東京と放射線量に関してはそう変わらない状況にあるわけでありますが、そういった中、双葉地方から本市に2万4000人を超える方々が避難をされております。被災地でありながら避難されている方を受け入れているという、複雑な状況にいまもあります。