宅録アウトサイダー“Maple Fyshh”、初となるコンピ『君がどんどん離れて行く』をLPでリリース
60sポップスに魅了され、90年代の宮崎で4トラックのカセットMTRを使って音楽制作を行なったD.I.Y宅録の表現者、Maple Fyshh(メイプルフィッシュ)の初となるコンピレーション『君がどんどん離れて行く』が11月15日(金)にLPでリリースされます。 本作は、Maple Fyshhが1995年に自主リリースした1st LP『Mariko』と2nd LP『Dokitto Station!!』をA / B面に分けて選曲・構成したもの。ジョー・ミークやギャラクシー500、森田童子、ウォール・オブ・サウンド、アシッドフォーク、サーフィン&ホットロッド、60年代サイケデリック・サウンド、それらが同居したドリームポップ白昼夢世界が、アーティスト自身が太鼓判を押す最新マスタリングで蘇ります。 2nd LP『Dokitto Station!!』は初期メイプルフィッシュの録音実験を総括した作品集。60年代のサーフィン&ホットロッドやガール・サウンドをカセットMTRの多重録音で作りだそうとした過程で生まれたベッドルームポップ的なテクスチャーが、宇宙遊泳のような浮遊感と日差しの強い波打ち際が同居する情景をもたらす、一筋縄ではいかないユニークなサウンドに仕上げています。 一方、1st LP『Mariko』は90年代にある漫画雑誌に投稿された詩にインスパイアされ、それに音楽をつける形で産み落とされたトータル・コンセプト・アルバム。1994~95年に録音され、幻想との付き合いを問いただすリリカルな詩の世界を、『Dokitto Station!!』収録曲の時期に編み出した多重録音の手法をもって音楽表現したものです。アシッドフォークのごとき内観、オーバーダブの音の壁に埋もれた中性的な歌声、60年代ポップス由来のサウンド志向がカセットMTRを介して結実した、時代を超越する普遍性を備えた音楽。 シーンや時代に煽られず、未踏の領域だからこそ醸成された90s白昼夢ポップス、その謎解きの手がかりとなるMaple Fyshh自身の作品解説も必読のコンピ『君がどんどん離れて行く』に注目です。 なお、11月15日同日には、『君がどんどん離れて行く』の発売を記念して、Maple Fyshhが90年代半ばに自主制作リリースした「Beat ’N’ Garage」レーベルの作品2点と『君がどんどん離れて行く』LPをセットにした“Vinyl Special Set A”と“Vinyl Special Set B”も小部数限定でリリースされます。詳細は、EM RecordsのHPをご確認ください。