ドローンでクマ出没を住民に周知、犬の鳴き声で追い返す 京都府福知山市で訓練
京都府福知山市三和町上川合地区でこのほど、ドローンを活用してクマが出没したことを住民たちに知らせる訓練が行われた。集落の上空に飛ばしたスピーカー付きのドローンでクマへの警戒を促し、犬の鳴き声で追い返す手順などを確認した。 上川合地区では例年、柿の木などが被害に遭っているが、住民がクマの出没に慣れて通報しないこともあるという。そのことを知った福知山署三和駐在所の木下敦志警部補が、クマを目撃した際の対応などの周知を図り、自身も国家資格を持つドローンを使った独自の対策ができないか―と、関係機関に協力を呼びかけて企画した。 訓練は、上川合自治会長で福知山防犯推進委員連絡協議会三和支部長の小原正樹さん宅の敷地内で実施。実際に今年9月に被害に遭った栗の木に、警察官が扮するクマが近付いているとの想定で行った。 発見した小原さんが通報後、一般社団法人無人航空機操縦士養成協会の志村伊織代表理事がドローンを飛ばし、スピーカーから目撃情報があったことを告げ、「痕跡があるところや聞き慣れない音に注意して、敷地内であっても不用意に近づかない。目撃情報があれば、まずは安全確認をし、市役所などに連絡をお願いします」などの防犯メッセージを流した。 このあと、スピーカーから犬の鳴き声を流して、クマを山に追い返したあと、市や府の職員がクマを寄せ付けないための対策などを紹介した。 木下警部補は「ピンポイントで集落に広報できるのは効果的だと感じました。普段から住民とコミュニケーションを取りながら、目撃情報がしっかりと警察などに入る関係づくりをし、地域でできる対策を今後も考えていきたい」と話していた。