3兆円半ば……「少子化対策」巨額財源どう確保? “支援金制度”で天引きか 政府「追加負担を生じさせないことを目指す」
日テレNEWS NNN
政府が進めようとしている「異次元の少子化対策」を巡り、財源確保について具体的な議論が9日始まりました。「既定予算」と「歳出改革」に加え、新たな「支援金制度」を設ける考えです。支援金制度で私たちの負担がどうなるか、実態はまだ不透明です。
■「異次元の少子化対策」の中身は?
有働由美子キャスター 「(予算額が)年間3兆円半ばとされる、『異次元の少子化対策』。この巨額の財源をどうやって確保するのか、9日に具体的な議論が始まりました。気になるのは、新たな負担が増えるのかどうかです」 小栗泉・日本テレビ解説委員長 「『異次元の少子化対策』は、例えば児童手当を拡充して給付の対象年齢を現在の『中学生まで』から『高校生まで』に延長。第三子以降は金額を倍の3万円にします」 「また、出産費用の保険適用や、親が働いていなくても子どもが時間単位で保育園などに通える『こども誰でも通園制度』の創設などがあり、これらのために3兆円半ば(の予算)が使われるとしています」
■財源確保は「支援金制度」など3つか
小栗委員長 「この財源を3つの方法で確保しようとしています。今ある予算の余ったものを使う『既定予算』、ムダな歳出はカットする『歳出改革』、そして新しい仕組みである『支援金制度』の活用です」 「この支援金をどこから持ってくるのかが、9日のポイントでした。公的な医療保険の仕組みを使い、国民や企業から保険料を集めて子育て予算に回すことになりそうです。会社員であれば、給料からの天引きが想定されます」
■医療保険料の上乗せ分を帳消しに?
有働キャスター 「つまり、私たちが払う保険料が増えるということですか?」 小栗委員長 「実態はまだ分かっていません」 「政府は、医療保険料に上乗せをして子育て政策用の支援金を集める仕組みは作るが、その分、歳出改革で診療報酬の改定などをして社会保険料の負担を減らし、この上乗せ分を帳消しにすることで『追加負担を生じさせないことを目指す』としています」 「ただ、本当にうまく行って来い(プラスマイナスゼロに)して、巨額の予算を捻出できるのかどうかは不透明です」 「また、上乗せされる保険料は負担能力に応じて決めるとしています。誰がどの程度負担するのか詳細はこれから議論されますが、歳出改革をする中で、所得の高い人などに何らかの自己負担を増やしてもらう可能性もありそうです」