マルチな活躍続く“イケオジ”53歳、津田健次郎。「早く他人から評価されたい」若手世代に思うこと
「評価される」ことより大切だと思うこと
――もともと声の仕事で大活躍されてきました津田さんですが、ここ数年、俳優業などを含めて、さらに引っ張りだこです。そんな津田さんから、「現在、自分は正当に評価されていない」「現状が不満だ」と感じている年下世代に何かアドバイスをもらえませんか? 津田:人に認めてもらうとか、評価というものは、一番最後に来るものだと思います。つまり頑張っているときとのタイムラグがある。だから積み重ね続けるしかないと思います。 それに、評価云々よりも、自分自身が何をどれだけできたのか、やっているのかのほうが大事かなと。当然、そこには出会いや、もろもろのタイミングも大いに作用してしまうとは思います。ただ、そうしたタイミングも出会える確率を上げていくことは可能なんじゃないかと思います。 ――出会いの確率を上げる。人でも物事でも、でしょうか。 津田:そうですね。最終的な決定についてはもしかしたら関知できないかもしれませんけど、いろんなことを積み重ねていくことで、面白い人やものと出会える確率は上がりますし、認めてくれる人と出会う確率も上がるのではないでしょうか。 出会えていないと思っているだけで、単に視野に入っていないだけかもしれませんし。
今の自分が何をどれだけできているか
――たしかに視野に入っていないということもありそうです。 津田:逃さないためにも、やはり、いまの自分が何をどれだけできているかが大切な気がします。 そもそもあまりやれていないのなら、それで評価を求めるのは違うだろうし、頑張っていると言えるのなら、積み重ねればいいと思います。しんどいことやつまらないこと、くだらないことのほうが、生きるうえでは圧倒的に多いと思いますけど。 ――津田さんにもしんどい時期はありましたか? 津田:今でもそうですよ。僕らみたいな仕事は、華やかな部分がどうしても表に見えますが、8割9割は地味な作業ですから。
イケオジ津田さんが、さらに加えたい魅力
――2024年はベストドレッサー賞にも輝き、イケオジ街道をばく進中ですが、50代半ば、後半、60代、70代と、さらにどんな魅力を持った大人になっていけたらと思いますか? 津田:楽しくやることは大事ですが、それだけでもダメだと思うんです。人生の楽しみと余裕、力の抜け具合のようなものを感じさせつつ……。そうですね、もしかしたら“潔さ”を持つことも、大事なのかなと、今は思います。 ――潔さ、ですか。 津田:何事にも100%の完ぺきを求めるのは、難しいですよね。でもだからといって妥協するのとは違う。“潔くいる”というのが、難しいけれど、かっこいいなと思います。 <取材・文・撮影/望月ふみ> 【望月ふみ】 ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi
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