マルチな活躍続く“イケオジ”53歳、津田健次郎。「早く他人から評価されたい」若手世代に思うこと
脚本化の際のプレッシャーを想像すると震えます
――原作において『ローハンの戦い』に関する部分は、実はほんのわずかです。津田さんも脚本を手掛けられたことがありますが、これだけの物語になったことへの感想はいかがですか? 津田:脚本化していくときのプレッシャーたるや、尋常ではなかっただろうと思い、想像すると震えます。 オリジナルの物語で、シリーズを知らない人でも独立して楽しめますし、実写シリーズにつながる前日譚でもあり、知っている人は「おおー!」となります。特に最後のほうにカタルシスがあったりして、すごく丁寧に脚本化されていると感じました。 ――ウルフにはどんな印象が? 津田:一見するとすごくクールでワイルドで、圧倒的に強そうな感じなんですけど、その実メンタル的には、人間臭いというか、幼いというか。未成熟な部分がひとつポイントかなと思いました。
大役を任された小芝風花さんは「違和感のない素敵な声」
――未成熟な部分がポイント。 津田:簡単にいえばダダっ子のような部分がある。心の狭いところが面白いなと思いました。 神山健治監督(『攻殻機動隊 S.A.C.』シリーズ、『東のエデン』)は「ちょっとウルフは嫌われるキャラクターかもね」とおっしゃっていたんですが、「そうでもないんじゃないか、面白がってもらえるんじゃないか」という気がしました。 ――“ダダっ子”という表現が頷けます。 津田:人間的に小さい部分が、僕も含めてですけれど、観てくださる皆さんもお持ちの部分かもしれないと思いました。あまり立派な人だと、崇めるだけで終わってしまいますが、自分たちの生きている地平にいそうな、欠陥のあるキャラクターなのが面白いと感じましたね。 ――ベテラン陣に囲まれて、俳優の小芝風花さんが王女ヘラという大役を任されました。作品が始まった途端、「すごい!」といい意味で非常に驚いたのですが、津田さんは小芝さんのヘラにどんな感想を持ちましたか? 津田:アフレコでご一緒はしていないのですが、躍動感があり、それがしっかり音となってアニメーションに乗っかっていました。フレッシュな感じがすごくあって、違和感のないステキな声でした。違和感がないというのは、とても大事な要素のひとつだと思います。