ECBは年内3回の利下げ、4回目は確信できず-リトアニア中銀総裁
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのシムカス・リトアニア中銀総裁は、6月を皮切りに年内3回の利下げを見込んでいると語った。
シムカス氏は6日、ビリニュスで記者団に対し、ユーロ圏の経済動向は多かれ少なかれ基本シナリオに沿って進んでおり、予想外の事態がなければ、ECBの景気抑制的な金融政策姿勢を緩和する余地があるとの認識を示した。
「基本線の範囲内で全てが展開する場合には、将来的に数回の追加利下げがあるというのが自分の考えだ」と述べた上で、「年内に3回の利下げがあるだろうと思う。4回目は確信できない」と続けた。
ECB政策委員らは6月の利下げについては一致しているが、その後にどれだけの追加緩和を行うべきかを巡って見解が分かれている。シムカス氏は目標である2%に向けてインフレ率が低下を続けていることに勢いを得て、追加緩和を主張する陣営にいる。一方では、賃金の伸びが十分に緩和しなかったり中東での戦争がエネルギー価格を押し上げたりする場合が想定できるとし、インフレ再燃の可能性を懸念するタカ派寄りの委員もいる。
実際、政策委員会メンバーのブイチッチ・クロアチア国立銀行(中銀)総裁はシムカス氏と同席したイベントで、年内に何回の利下げを見込むか発言を控え、より慎重な姿勢を示した。
「われわれは7月に判断する。完全にデータに従うことになる。見通しが現在目にしている通りなら、金融政策の緩和を見込むだろう。それでもインフレ率を確実に2%の水準に押し下げるために政策は十分、景気抑制的な領域にあるだろう」と語った。
原題:ECB’s Simkus Expects Three Interest-Rate Cuts This Year(抜粋)
--取材協力:Jasmina Kuzmanovic.
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Milda Seputyte