斎藤工×北山流川D×上出遼平が語る『こどもディレクター』の可能性と意義「見せたくないものにカメラを向けることで次の一歩がある」
◆初見の方にこういうところを楽しんでほしいなど、ありましたら教えてください。 斎藤:連続ドラマとかだと、1話を見ていないと2話以降の理解が、そこから入りづらいみたいなことがあると思いますが、この番組は誰しもが人生の途中で、その前に起きたこと、この後起こるであろうことの部分的抜粋ドラマという感じがします。もちろん毎週楽しみに受け止めてほしいのですが、偶発的に出合ってもそれはそれでふさわしい番組でもあるなと同時に思っています。それは、1から登場人物を理解して立て続けに見ていくというよりは、誰しもが人生の途中で途中の人と会うから、自分の前とこれからにつながってしまうという不思議な感覚になるんじゃないかなと。どのタイミングからか分からないですが、人ごとが我がごとになってくるんです。そこの隙間のようなところに、ありそうでなかったこの番組が入ってくれるんじゃないかなと。ながら見でもいいですし、本当に何か感じるものがなかったら、僕は変えるということが起こっても仕方ないと思うんですけど、でもちょっと類を見ない味わいなので、ナタデココを初めて食べたときみたいな、「1回見てみて」と声を大にして言いたいです。 ◆先ほどサウナに入ったように余韻を感じる番組とおっしゃっていましたが、コンスタントにこの番組の収録に触れるとなると定期的に心のサウナになるのかなと思うのですが。 斎藤:おっしゃる通りです。切迫すると自分の半径だけでしか何か動いてないような気がして、それと同時に情報が多すぎて、キャパオーバーしてしまうような、自分の時間がその二極化してしまっているとここ数年ものすごく実感しています。ですが、その人様の当たり前に動いている時間というものに触れることで、色づく何かを僕自身もらっている気がして、とても強くこの番組にそれを感じました。他人と接続できることがSNSによって簡易的にはなっていると思うのですが、この番組では普段最も見せない、見せたくないようなものにカメラを向けることで次の一歩があるというような大きなメッセージを僕自身毎回感じながら、収録に臨めるなと。こういう番組だからこそ、なおのこと襟を正して向き合えたらなと思っています。でも、上出さんや流川さんのあふれる才能にたまにおぼれそうになりますけど、奥に感じるんです。たぶんどんなディレクターも、自撮りのものでも、どこかプロデュースじゃないですけど、それを一緒にクリエイトする人、仲間がいると思うのですが、上出さん、流川さんのチームが、この『こどもディレクター』を全力でサポートをしていて、それで守るべきものを守りながら一緒に作品を作っているという。このチームと多くの方が必然的にこれから触れ合っていく姿を目撃できるというのは、すごくぜいたくだなと思っています。 <プロフィール> 斎藤工 ●さいとう・たくみ…1981年8月22日生まれ。東京都出身。A型。
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