大宮アルディージャの「エンブレム変更」は賛否両論 SNS上の意見が必ずしも多数派ではない
【数年でJ1に昇格するための戦力は?】 レッドブルサッカーのテクニカルダイレクターを務めるマリオ・ゴメスらは、トップチームから女子チームVENTUSの選手とスタッフ、さらにはアカデミーとクラブスタッフを集めて、これからどのように変わっていくのか、プロパティはどうなるのか、といったことを複数回説明している。慎重に、かつ誠意を持って対応していく姿勢をレッドブル側が示しているからなのか、トップチームに動揺が走る場面はなかった。 選手たちに話を聞くと、「周りの人たちはいろいろと心配してくれましたけど、自分たちはそこまで気にしていない」という声が多い。「僕ら選手にはコントロールできないことなので、そこはもうクラブに任せるしかない」というのが、選手たちに共通する思いだ。 RB大宮アルディージャとして動き出すにあたっては、ユニフォームのデザイン(カラー)がどうなるのか、マスコットはどうなるのか、といった課題が残る。11月24日にJ3リーグが終了すれば、来シーズンの編成も本格的に進められていくだろう。 チームトップの10ゴールをマークしている元日本代表FW杉本健勇は、ジュビロ磐田からの期限付き移籍だ。左ウイングバックの主力として6得点6アシストを記録したMF泉柊椰(とおや)も、ヴィッセル神戸からの期限付き移籍である。また、3バック中央で守備の中心となった19歳の市原吏音(りおん)は、早期のステップアップが確実視される。 彼らを引き留めるのか、彼らに代わる選手を獲得するのか。『25年から3、4年でJ1昇格を目指す』というロードマップに沿って、戦力を整えていかなければならない。 オリバー代表は「これまで大宮が歩んできた道を、私たちがさらに広げていく。そしてそれは、一夜にしてはなりません。一歩一歩、進んでいきたいと思います」と話す。そのうえで、未来を展望する。
「私たちの持っているネットワーク、経験、知識といったものを投入して、大宮アルディージャがJ1で確固たる地位を築くように、努めていきたいと思います」 何かが変わる、何かを変えるタイミングでは、ハレーションが起きたり、拒絶反応が広がったりするものだ。プロパティでも、チーム編成でも、誰もが納得できる答えはおそらくない。だからこそ、レッドブル側と大宮側が、自我作古の精神で最適解を導き出していくべきなのだろう。
戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei