「まだまだできるって信じて」田中将大に手を差し伸べた巨人・阿部慎之助監督の思惑 …200勝問題に田中の反応は?「やり返したい気持ちはある」
実績十分だが、心配な点も
もちろん本来持っている投手としての能力、ポテンシャルの高さはいうまでもない。実績も十分で、順調に行きさえすれば、こうした期待が現実のものとなる可能性もかなり高いと言えるだろう。 ただ心配なのは、肘の手術をしてまだ問題ないと言える投球を実戦で見せていないこと。そしてもう1つは3年間、150イニング以上、マウンドで投げてきた田中も、そこから来年は2つ歳をとるということだ。 今年の11月で36歳。30代半ばを過ぎた投手は、やはり己の肉体との勝負にどう打ち勝っていくか、あるいはその衰えを受け入れてどう上手に付き合っていくか。そこが最大のテーマとなるということである。 そのために一番大事なことは、とにかく無理せず、頑張り過ぎないこと、出来ることのラインを少しだけ下げることかもしれない。 過去に何人もの30代半ばを超えた実績のある投手が、復活を期して頑張る姿を見てきた。例えば巨人から横浜(DeNA)に移籍した前後の工藤公康投手やメジャーから日本球界に戻ってソフトバンクから中日に移籍してきた松坂大輔投手らである。 2人とも他を寄せつけない実績を誇る投手なのはいうまでもない。経験と知識もあり、言われなくても自分でトレーニングもしっかりこなす。晩年になってもマウンドに立つことを目標に、日々しっかりと練習をする。しかしストイックに自分を追い込むことで、逆に身体がついていけないことが間々起こるのである。
登板回避はその投手だけの問題ではない
先発のスケジュールが決まり、投手コーチが「どうだ?」と聞くと、多少の問題があっても、何とかしようと「いけます」と答えてしまう。しかし登板直前になっても思ったように状態が上がらず、もしくは身体が悲鳴をあげて、マウンドに立てる状態に持っていけなくなってしまう。 そして登板回避となってしまうのだ。 ただ先発投手の直前での登板回避は、その投手だけの問題では済まないから厄介なのだ。ファームにちょうど代役となる投手がいればいいが、穴埋めをするために他の投手のローテーションをいじらなくてはならなくなる事態も勃発する。 そんなベテラン投手たちが、現役の最後の頃に、そこで他の投手と軋轢を生んでしまうシーンを何度も見たことがある。 田中の場合はまずはあと3勝と迫った日米通算200勝という大きな節目がある。 「ここ数年ずーっと聞かれて、ずーっと答えて、ずーっとクリアしていないので、いい加減クリアしたいな、と。そこに対しては自分もフラストレーションが溜まる部分もありますけど、一気に勝てるわけではないので、まずは先発ローテーションに入れるように」
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