「桷志田」商標を英国籍企業が無断で登録、福山黒酢が中国の行政訴訟で勝訴 先行申請企業の実績認めず、登録取り消し
黒酢製造販売の福山黒酢(鹿児島市)の商品名「桷志田(かくいだ)」が、中国で海外企業に無断で商標登録されていた問題で、26日までに全ての部門で権利が取り消されていたことが分かった。中国の知的財産権裁判所が海外企業の商標権使用実績を認めず、取り消した。これにより福山黒酢の清涼飲料水部門での商標が登録された。 商標登録していたのは福山黒酢とは無関係の英国籍のブランド管理会社。桷志田は2010年に中国で調味料部門での登録を済ませていたが、14年に海外企業が清涼飲料水などの部門で登録していたことが発覚した。このため果物を使った飲料酢などの輸出を控えてきた。 商標は3年以上使用実績がなければ取り消し対象となるため、18年12月に中国商標局に申請していた。ところが、桷志田をジュースとして販売したとする領収書など海外企業側の証拠書類が認められ、19年に却下された。 20年に行政訴訟を起こし係争中だった。現地の代理人事務所から今年7月、海外企業の登録取り消しが確定したとの知らせがあった。
支援してきた鹿児島市日中友好協会の村田秀博交易観光部会長(68)は、中国の裁判所が先行申請企業の使用実態に踏み込むことは珍しいと指摘する。「しっかりと判断してくれてよかった。知的財産権の悪用は正当なビジネスの妨げになり許されない」と話した。 福山黒酢の竹下義隆工場長(50)は「ようやく主力のフルーツ黒酢を中国で販売できる。積極的に販路を拡大していきたい」と意気込んだ。
南日本新聞 | 鹿児島
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