観光客であふれかえる秋の嵐山エリア（昨年１１月１５日午前１０時５０分、京都市右京区）

　観光客で混雑する嵯峨嵐山の長辻通（京都市右京区、三条-丸太町通）で秋の観光シーズンに合わせた交通規制が行われるのを受け、住民生活への影響を軽減しようと、地元自治連合会などが住民専用の乗合タクシーを初めて運行する。 【写真】歩道からはみ出すほどの観光客で混雑する長辻通 　長辻通では、通年で土日祝日の北行一方通行規制が行われているほか、紅葉が見頃を迎える11月後半は、土日祝日の一部時間帯を歩行者専用道路とするなど対策の強化も行われてきた。昨年11月には、平日を含む1カ月間の北行一方通行規制を試験的に実施。影響を受ける住民にアンケートを行ったところ、最寄りのバス停の乗降場所が変わり、通院や買い物が不便といった声が聞かれた。 　昨年と同様の交通規制は今年も実施する予定だが、住民の声を受け、今年は長辻通が北行一方通行となる平日の11月18～22日と25～29日に乗合タクシーを運行する。嵯峨自治会連合会と嵐山商店街、嵐山保勝会が主体となり、長辻通、丸太町通、JR嵯峨嵐山駅などを経由しながら地域を巡る定員9人の車を午前中から夕方にかけて走らせる。10日間の費用は49万円で、半分は市の補助金を充て、残りは商店街と保勝会が負担する。 　計画は、市や国土交通省、府警、住民、商店事業者、交通事業者でつくる「嵐山交通対策研究会」で決定した。乗合タクシーのほか歩行者数の計測や観光客の流入量の調整、分散化の取り組み、嵯峨街道（渡月橋北詰-阪急嵐山駅前交差点）の南行一方通行規制などの対策にも取り組む方針も確認した。