スポーティーで気持ちの良い走り! FELO「FW-03」が既存の電動スクーター観を大きく変える!?
ニーグリップ可能でレベルの高いスポーツ走行!
車体に跨ります。そう、スクーターではありますが、FW-03は通常のバイクのように跨るようにして乗ります。フットスペースもなく、足はステップに置きます。やや幅広のハンドルもあって、スクーターではなく、通常のバイクに乗っているような感覚。ライディングポジションは小ぶりなモタードのようです。 イグニッションをオンにしますが、それだけではアクセルを回しても走りません。右ハンドルにあるスイッチボックスのボタンを押してから、スタートです。こうした安全配慮は嬉しいポイントといえるでしょう。 走り出すと、そのパワーに思わず笑みが。内燃機搭載車と同様の違和感のないパワーの出しかたは秀逸で、電動だからといって急激にパワーが出たりといった扱いにくさは一切ありません。それでいて、125ccエンジンモデルよりも常に少し高めのトルクを感じるので、余裕のある走りを満喫できます。 ニーグリップで車体をしっかり支えて、リーンアウト気味にコーナーを回れば、まさにモタードに乗っているよう。思わず左足でギアをカチャカチャしたくなりますが、もちろんスクーターなのでギアはありません。しかし、オートマチックのイージーライドでこのコーナーが楽しめるのは高評価ポイントです。シートもフラットなので、前後への体重移動がラクなのも、コーナーを思う存分楽しめる一因となっています。
ただ、やっぱりスクーターなのでのんびり走ろうと思って、シートのやや後ろ側に座ったところ、コーナー特性が大きく変わりました。このバイクは、どちらかというと前荷重でスポーティーに乗る方が断然楽しいようです。 気になるのはオフロード走行ですが、今回は都心での試乗だったため、試すことは叶わず。サスストロークはそこまで長くはなさそうなので、実際にどこまで走れるかは未知数です。 ブレーキも良くできていて、特に左ブレーキに装着されているコンビブレーキは秀逸。前後の制動力のバランスが優れていて、左レバーを使えば、車体姿勢を維持したままスーッと止まります。コンビブレーキがついているため、ABSはなし。ダートを走りたいと思っている方には嬉しいポイントですね。 走行性能とは関係ありませんが、メーターのギミックもよくできていて、タコメーターの代わりにアンペアメーターを装備しています。アクセルを開けると50A、60Aというふうに数値が上がり、アクセルを閉じると数字も下がります。そして、回生ブレーキが作動すると数値はマイナスに! このギミックによって、もともとスポーティーなFW-03がよりスポーティーに感じられます。
電動の楽しさを凝縮したスポーツスクーター
電動スクーターというと、給油いらずでエコ、だけど走りの楽しさはやっぱりエンジンには叶わない……なんて思っている人も多いのではないでしょうか。しかしFW-03はバイク本来の魅力をしっかりと持った秀逸なモデルでした。誤解を恐れずに言えば、エコを売り物にしたものではない! ということです。 FW-03はカーボンニュートラルな未来を見据えつつ、しっかりとバイクの楽しさを追求した1台だと言えるでしょう。 FELO「FW-03」(68万2800円/消費税10%込)
佐賀山敏行