坂本龍一の存在も、NYに憧れた理由のひとつ─ピアノニスト・角野隼斗が音楽を通した“出会い”を語る
坂本龍一への憧れも、ニューヨーク生活を選んだ理由
角野がニューヨークに初めて訪れたのは、2022年4月。ニューヨーク在住の仲のいいカメラマンの誘いもあり、1週間ほど滞在したそうだ。 角野:(ニューヨークの生活は)めちゃくちゃ刺激的でした。毎日のようにライブに行ってセッションとかして、短い時間でも人と会いに行ったりしましたね。初めて行ったのもあると思うんですけど、街にいる人が全員とてつもないエネルギー、個性がありました。僕は日本で育ってきたのもあり、あまり自分をアピールするのをしてこなかったんですけど、だからこそ自分にとってガツンと来て、直感的に「住んでみたい」と思ったんですよね。 角野は同じくニューヨーク在住だった、坂本龍一の楽曲『美貌の青空』をセレクトした。 角野:坂本龍一さんもニューヨークに住んでいらっしゃいましたが、僕が有名になり始めた頃にはご病気でお会いできないような状況で。結局、本人と直接お会いする機会はなかったんです。本当に尊敬する音楽家の1人で、彼が住んでいたことも、ニューヨークに憧れを抱いた理由の1つになっていると思います。『美貌の青空』は好きな曲なのですが、『Ryuichi Sakamoto | Opus』という、坂本龍一さんの最後のコンサート映画を観させてもらって、そこでの演奏も印象的でした。自身の最後の力を振り絞って弾いているような姿が、本当に印象的でした。坂本龍一さんは好きな曲がたくさんありますので、いろいろ紹介していければなと思います。 『ACROSS THE SKY』のワンコーナー「TOKYO TATEMONO MUSIC OF THE SPHERES」では、角野隼斗が音楽を通したさまざまな“出会い”をもとに選曲と語りをお届けする。オンエアは毎週日曜11時30分頃から。