長崎県内で初競り 活況を願いかけ声響く、初市式も
長崎県の佐世保市地方卸売市場水産市場(相浦町)と長崎市中央卸売市場(田中町)で5日朝、今年最初の取引となる「初競り」が開かれ、仲買人らの威勢のいいかけ声が響いた。初市式もあり、関係者らが新年の活況を願った。 佐世保市地方卸売市場水産市場では午前4時から初競り。旬を迎えたブリや縁起物のタイなど約40種が並んだ。サバは1箱1万5千円、アジは同8千円の高値がついた。海水温上昇の影響で近海の漁獲が減ったものの、同日の取扱量は約185トン、取扱高は約4200万円でともに前年並みだった。 競り後の初市式には、関係者約250人が出席。佐世保魚市場の井上正人社長があいさつで「社会的使命を果たすべく安定した供給に向け、取扱量の強化を図りたい」と抱負を述べた。 一方、長崎市中央卸売市場ではササ竹に「初荷」の札を付けて祝った初競りに新鮮なハクサイやミカンがずらりと並び、威勢のいい掛け合いで次々と競り落とされた。昨夏の猛暑などによる生育不良や数量低下が見られ、高値は当面続く見通し。同日の取扱量は野菜が前年比36トン減の157トン、果実は同26・2トン減の46トンだった。 初競りに先立ち、午前7時から初市式があった。7月で市場開設50周年の節目。卸売業「長崎でじま青果」の加藤誠治社長は市場関係者に感謝し、「販売のネットワーク強化と農家の所得向上に努め、新鮮で安心安全な野菜と果実を市民の食卓に届けることで地域の発展に貢献したい」とあいさつした。