「一番人間に近い魚 、それがブラックバス。カッコいいし、かわいい」アメリカのバスは本能的。日本のバスは理性的。
アメリカのバス 日本のバス
― アメリカと日本のバスって、違いますか? 藤田 「アメリカのバスのほうがちょっと本能寄りだと思います。日本のバスは、日常的にルアーをめちゃくちゃ見てるから、より賢くなっているのでしょう。より、理性が働いてるような気がします。アメリカはフィールドがでかいので。割と本能的な動きで襲ってきたりしますよね」 ― 日本のバスのほうがちょっと進化系というか。より人間に近いイメージですね。 藤田 「僕はすべての生物が、その周辺の環境に影響されると思ってるので。例えば、日本人がアメリカに住んでいるとアメリカナイズされてきますよね。そういうイメージです。日本のバスは、ある意味日本の生物になっている。日本のバスになっている。気候とか、食べるものとか、気温とかにも影響を受けていると思います。日本でも東北の人と九州の人じゃちょっと違いますもんね。バスだって、津久井湖と相模湖って隣同士だけどまあ違うじゃないですか。例えば河口湖のバスと、西湖のバスでは全然性格違うし」 ― 湖ごとに、傾向があるのかもしれませんね。
ヒロ内藤さんに聞いた ちょっと興味深い話
藤田 「今年の2月に、ヒロ内藤さんにお会いした際、聞いた話なんですけど。ヒロさんの家にはプールというか、魚を飼っている池があるんですね。ヒロさんのお姉さんいますよね? あの宇宙飛行士の方」 ― 向井千秋さんですよね。 藤田 「そのお姉さんが宇宙船にコイを一匹だけ連れて行って、実験をすることになったらしいんです。それは、やっぱり大事な実験ですから、選りすぐりのコイを選ばなきゃならない。その大役をヒロさんが任されたらしいんですよ。庭のプールにいっぱいコイを放流して」 ― それは面白い。重責を担っちゃいましたね。 藤田 「選ぶまでに、いろいろテストするらしいんですけど、そのために脳の専門の先生が来たらしいんです。医者だか学者だかわかりませんが、内藤さんの飼っているコイ一匹一匹の脳を調べたらしいんですよ。そうすると、やっぱり一匹一匹脳が違っていて、性格があるらしいんです。その先生、たとえば『このコイはちょっと臆病だ』とか、コイの性格をヒロさんにいうんですね。そこでヒロさんが観察していると、コイが本当にそういう行動をするらしいんです。その先生が言った通りの行動を。それぞれのコイが。それでヒロさんは、魚にも一匹一匹に性格があるって事を思い知ったらしいんですけど」 ― それは面白い話ですね。バスじゃなくてコイという点が気になりますが(笑)。 藤田 「ヒロさんは、コイにもあるんだったらバスにもあるよ、みたいな感じで思ったらしいです。バスの脳みそを調べたら面白そうですね」 ― その先生、魚類の脳科学者だったんですかね? それとも人間の? 藤田 「いや、そこまでは知りません。でも、NASAが派遣するぐらいだから、超素晴らしい頭脳の持ち主なんだろうと思います」 ― コイも実は人間に似ているのでしょうか?