「認知症悪化」強制動員被害者ヤン・クムドクさんの第三者弁済案受け入れ背景に疑問
日帝強制動員の被害者として日本に謝罪を求めてきたヤン・クムドクさんが尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の第三者弁済案を受け入れたことで、ヤンさんを支援してきた日帝強制動員市民の会(市民の会)は24日、文書で立場を表明し「ヤンさんの歴史闘争はここで止まったが、歴史正義の闘争は再び始まる」と明らかにした。 前日の23日、外交部アジア太平洋1課は各報道機関に「ヤン・クムドクさん、第三者弁済案受け入れ」という題の公示で「日帝強制動員被害者支援財団は23日、強制徴用被害者に対する最高裁(大法院)判決に関する政府の解決方法を受け入れる意思を明らかにした生存被害者1名に判決金と遅延利子を支給した」と明らかにした。第三者弁済案は、2018年に最高裁で勝訴した日帝強制動員被害者に対し、日本の戦犯企業の代わりに韓国企業が日帝強制動員被害者支援財団(行政安全部傘下)に寄付金を造成し判決金を肩代わりする方式だ。 これまでヤンさんは第三者弁済案に対して反対の意思を明らかにし続けてきた。ヤンさんは2022年9月に自宅を訪問したパク・チン外交部長官(当時)に「三菱(日帝戦犯企業)が謝罪し、金も支払わなければならない。他の人たちがくれるなら絶対に受け取らない」と語った。また、三菱重工業が賠償金(1億2000万ウォン)の支払いを無視したことで、韓国内の商標権2件に対して差し押さえ手続きを踏み、最高裁の強制売却命令の最終判断を待っているところだった。 ヤンさんは戸籍上93歳とされているが、実際の生年月日は1929年12月30日で、今年で95歳になる。昨年5月から老化で入退院を繰り返し、認知症判定を受けて11月からは外部活動を中止し、光州(クァンジュ)の療養型病院に入院している。 市民の会は「先日、行政安全部傘下の日帝強制動員被害者支援財団のシム・ギュソン理事長が光州を訪れ、ヤンさんの家族と第三者弁済に合意することにした事実がわかった」として「ヤンさんの名誉と尊厳が守られるよう家族に繰り返し頼んだが、結局無為に終わった」と話した。続いて「ヤンさんは認知症で認知能力が薄弱な状態であり、意思決定や表現も非常に難しい状態」だとし「このような状況で判決金の受け取りがヤンさんの完全なる意志によるものなのかについて、依然として疑問」だと主張した。 市民の会はまた「日本が1つを要求すれば2つを差し出した韓国政府の大盤振る舞い外交、被害者の声を圧殺するために憲法の趣旨に反し最高裁判決の歴史的な成就まで覆した政府にその責任がある」と指摘した。 キム・ヨンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)