京都ハイジャンプ、名物3段跳びは「障害の中で一番難しい」「いらない」との声も
京都ではJ・G2の京都ハイジャンプ(芝3930メートル)が11日(土)に行われる。京都の大障害コースの名物は、向正面に控える9号障害「飛び上がり飛び降り台」。通称「3段跳び」と呼ばれる。高低差80センチ、長さ15・9メートルの台状の障害で、他の競馬場では見られない。なぜ3段跳びかというと、台に上がってから大体3完歩で降りるから。 春の京都ハイジャンプ、秋の京都ジャンプS(J・G3)の年2回だけ使用される特別な障害だ。 ジョッキーたちに聞くと、相当なくせものらしい。石神深一騎手は「あらゆる障害の中で一番難しいですね。上りよりも降りが大変」と言う。 なぜか。前段で3完歩と書いたが、石神騎手によるとそれは15-15のペースで走った場合だという。1ハロン15秒のペースは競馬では遅く、障害競走でも13秒台が平均。降りるタイミングが2完歩半になるので、歩幅を合わせるのが難しいのだ。 また80センチの段差を怖がって、練習では降りを拒む馬もいるという。 今年コンビを組む馬はザメイダン(牡8、新開)。追い切りは美浦ウッドコースで6ハロン79秒4、ラスト37秒0-11秒7(強め)としっかり負荷を掛けられた。「京都はスピードが大事で前が有利。抜けた馬がいるわけではないので狙っていきたい」。中山新春ジャンプS(2着)、ペガサスジャンプS(8着)に続く3度目のコンビで大仕事をもくろむ。 某騎手が「3段跳びはいらないですよ」と半ば冗談、半ば真顔で訴える9号障害は、実況中継でもハイライト。人も馬も勇気を持って挑む3段跳び。無事通過の際は拍手を送ってあげてください。【岡山俊明】