亀田和毅「トモムラフラッシュや!」やり投げの村上幸史氏と合同トレで必殺パンチ開発
ボクシングIBF世界フェザー級1位の亀田和毅(33=TMK)が21日、異色タッグによる異種トレーニングを初公開した。 和毅はトレーナーを務める父・史郎氏(59)の発案で今年6月から陸上やり投げで世界選手権銅メダルの実績を持つ村上幸史氏(44)にトレーニング面で師事。この日、京都市内のジムで練習を公開した。 和毅は今年8月にレラト・ドラミニ(南アフリカ)とのIBF次期挑戦者決定戦に勝利し、同級王者アンジェロ・レオ(30=米国)への挑戦権を手にした。3階級制覇がかかる一戦は来春の実施を目指して交渉中だが、大勝負に向けて和毅は進化を求めた結果、村上氏にたどり着いた。 橋渡しをした史郎氏は「世界戦に向けて新技をこしらえたいから何かないかと。やり投げと合体したら今までのボクシングにないような決定的なパンチがあみ出せると思った」。やり投げは投てきの瞬間、一瞬の爆発力にかける。その論理をボクシングに求めた。 村上氏は和毅との初対面で「動きのセンスがすごい」と感じたと言い、ボクサーに携わるのは初めてでも「すごいポテンシャルを感じた」と言う。 村上氏は「やり投げは最大出力を一瞬で生み出す。そのためにはまず自分を知ることが大事。できることできないこと、そこから始めた」と話す。和毅は「スピードとスタミナには自信がある。足りないのは相手を倒す一瞬の爆発力。今はかなり手ごたえあるよ」と自信を示した。 村上氏と取り組むポイントは体幹と可動域。陸上で当たり前に培われた技術はボクシングでは非常識。その定石を覆す形で根本からのトレーニングを進めている。和毅は「世界は簡単にとれるもんじゃない。一撃で倒す武器を持たなあかん」。史郎氏はその具体的内容を「企業秘密や」としたが、和毅(トモキ)と村上(ムラカミ)氏から、必殺パンチを「トモムラフラッシュや!」と命名した。 「今は破壊力500~600程度やけどな、完成時には3150に持っていくで」と鼻息を荒くする。3階級制覇への意欲をなみなみと示す異種トレーニング。来月からはスパーリングを開始する予定で、和毅は「めっちゃ楽しみ」。一撃必殺を完成し、群雄割拠の世界戦線へ殴り込みをかける。【実藤健一】