【平泉成 × 佐野晶哉】平泉さん「佐野くんは、もっともっと大きく羽ばたける逸材」
写真館を営むベテランカメラマンの鮫島と、東京で活躍する気鋭のカメラマンの太一。年の差58歳、性格も考え方もまったくちがうふたりが写真を通して心を通わせながら、人生の“想い残し”をテーマに奔走する映画『明日を綴る写真館』が6月7日(金)に公開されます。今作で共演した平泉成さんと佐野晶哉さんに、おたがいのお芝居の印象や役作りについて、じっくり伺いました。 平泉成 ひらいずみ・せい●1944年6月2日生まれ、愛知県出身。1964年、大映京都第4期フレッシュフェイスに選ばれ、1966年に映画『酔いどれ博士』で俳優デビュー。以降、映画、テレビドラマ、バラエティー、ナレーターと幅広く活躍。主な出演作に、映画『書を捨てよ町へ出よう』、『その男、凶暴につき』、『失楽園』、『蛇イチゴ』、『花とアリス』、『シン・ゴジラ』、『天気の子』、『マイスモールランド』ほか多数。秋山純監督の作品には『20歳のソウル』以来の出演となる。 佐野晶哉 さの・まさや●2002年3月13日生まれ、兵庫県出身。アイドルグループ・Aぇ! groupのメンバーとして5月15日にシングル『《A》BEGINNING』でCDデビュー。『Aぇ!!!!!!ゐこ』や『あっちこっち Aぇ!』にレギュラー出演中。ドラマ『年下彼氏』、『ジモトに帰れないワケあり男子の14の事情』、『あなたのブツが、ここに』、映画『真夜中乙女戦争』、『20歳のソウル』などに出演し、俳優としても活躍の場を広げている
「佐野くんは、柔軟なお芝居の感覚を持っている」(平泉)
――おふたりの共演は、2022年公開の映画『20歳のソウル』以来2度目です。共演が決まった時のお気持ちは、いかがでしたか? 佐野さん(以下、敬称略):めちゃくちゃうれしかったです! 平泉さん(以下、敬称略):僕は、佐野くんが演じる太一とどう絡んだらいいのかなって悩みましたね。 佐野:本当ですか? 平泉:佐野くんは、歌もダンスも上手で、ドラムも叩ける。僕はその全部ができないから、どうすればいいか(笑)。せめてもの奥の手で、何もしないとするか?などと考えました(笑)。だから、余計に気合いが入りましたね。 ――今作で改めてお芝居で対峙されてみた感想は? 佐野:『20歳のソウル』の時は、ご一緒させていただけたのがクライマックスの大事なシーンだけやったんです。ただ、そこでの成さんのセリフの重みがすごすぎて衝撃を受けたんですけど、今回の映画ではその衝撃の連続でしたね。成さんが演じられた鮫島さんはあまり多くを語らない役やからこそ、ひと言ひと言の重みがすごくて、毎回感動しながら勉強させていただきました。 平泉:いやいや。鮫島は言葉少ない人物像だし、僕自身セリフ覚えも悪い方なので、極力会話のセリフを少なく、ということになりました(笑)。 佐野:そんなわけないですって(笑)。原作を読ませてもらった時から、鮫島さんは完全に成さんやんって思っていたんです。成さんがクランクインされた日、川辺を歩きながら気ままに街並みをスナップされている目を見た時にも「うわ、鮫島さんや!」って思ったし、ここから成さんとガッツリお芝居させていただける数週間は一生忘れへん時間になるんやろなって思いながら、大切に撮影させてもらいました。 平泉:佐野くんは、非常にナチュラルでしたね。スッと立ち、スッと考えて、スッと演じる。偉そうに言ってしまい恐縮ですが、誰にでもできるようでなかなかできないことです。例えば、撮影中に偶然雨粒がポタッと頭の上に落ちてきたとして「おっ」と反応できるくらいの柔軟さをもっていないと、いい芝居はできないんですよね。佐野くんはその感覚を持っている。彼はこれから、もっともっと大きく羽ばたいていける逸材です。ですから、そのやわらかいまま、そのままでいいと思います。 佐野:うれしい……! ありがとうございます!