<私の恩人>半沢直樹でも好演 及川光博を支えた人
「半沢直樹」でも好演した及川さんの恩人とは
今、ノリに乗っている俳優の1人、及川光博さん(44)。大ヒットドラマ「半沢直樹」では、堺雅人の親友役を熱演し、その存在感をアピールしました。他にも人気ドラマシリーズ「相棒」にも出演。役者として活動の幅を広げています。もちろん、本業の歌手としても、毎年全国ツアーを行う及川さんですが、恩人に挙げたのは、美輪明宏さんでした。苦しいとき、悩みの中から救ってくれたのが美輪さんだと言います。
美輪明宏さんに会って体中が震えた
お世話になっている方、尊敬している方はたくさんいます。でも、精神的に本当につらい時、ブレてる時、迷っている時に、心を軽くしてくださった…それが美輪さんなんです。 美輪さんを最初に意識したのは高校生の頃でした。テレビで美輪さんの半生を知り、深作欣二監督の映画「黒蜥蜴(くろとかげ)」を見て、美輪さんの著書「紫の履歴書」を読んでからは、何とかして会わねばと思うようになったんです。 それと同時に「いつか会える」という根拠のない思いもあったんですよね。すると、本当に会えたんです、29歳の時に。2人でトークショーをするお仕事が来たんです。体中が震えました。
悩み相談になってしまったトークショー
というのも、僕もロックアーティストの端くれなので、エゴイスティックな部分があって、当時は特に“分かってもらいたい部分”と“求められるもの”とのギャップに悩んでいた時期だったんです。 例えば、テレビでは『王子様』だなんだっていうことで出演し、持ち上げられて、笑われて、落とされる。お客さまが見たいものと、こちらがお見せしたいものが違う。ジレンマに苦しんでいた、まさにその時、美輪さんとのトークショーのお話をいただいたんです。 トークショーは、僕の悩み相談みたいになってしまいましたけど(笑)、まず印象的だったのは本番前。事前に楽屋にご挨拶にうかがいたいと申し出たところ、断られまして。「互いに、舞台の上手と下手から登場して、舞台の中央で会いましょう。その方がロマンティックでしょう」と。 美輪さんにはよく「叙情的に生きなさい。世の中には、ロマンティシズムが少なすぎる」と言われるんですけど、最初からそれを教えてもらいました。