闇バイト 宮城県警がSNS監視を強化 防犯グッズへの関心高まる
khb東日本放送
首都圏などで相次ぐ闇バイトは、若者がSNSでの募集に応じて事件に加わっています。宮城県警はサイバー防犯ボランティアと連携し、募集情報などの監視を強化します。
首都圏を中心に闇バイトによる強盗事件が相次いでいます。 闇バイトとは、XなどのSNSやネットの掲示板などで短時間で高収入が得られるなどと呼び掛けて、応募すると詐欺の受け子や出し子、強盗の実行犯などに加担させられます。闇バイトに応募して加わったとみられる若者が次々と逮捕されています。 宮城県警サイバー犯罪対策課渡辺勇治統括官「撲滅するためには、SNS上に氾濫している闇バイトの募集投稿が喫緊の課題になっている」 宮城県警は闇バイトを実行役とした強盗事件や詐欺事件が相次いでいることを受け、緊急の会議を開催しました。 参加者はデジタル機器サポートや、サイバーセキュリティ―を手掛けるキューアンドエーの社員4人です。 犯罪との関連が疑われるインターネット上の投稿を見つけ出す、サイバーパトロールにボランティアで取り組んでいる青仙台市葉区の企業です。 会議では実際に闇バイトの勧誘に使われて、応募してしまった若者が逮捕されたSNSの募集内容が示されました。 犯罪グループはSNSで「高収入バイト」や「即日即金」「ホワイト案件」などと闇バイトを募集し、秘匿性が高いSNSのテレグラムやシグナルなどに誘導します。 応募した人たちは、送信した履歴書や免許証などの個人情報で脅迫され、詐欺や強盗などの犯行に加担してしまうということです。 宮城県警は、こうした勧誘の手口をサイバー防犯ボランティアと共有することで募集の投稿などの監視を強化します。 キューアンドエー及川克明スーパーバイザー「被害者が多くなるにつれ問い合わせも非常に多くなっている状況で、心苦しい気持ちになっている。1件でも多く、犯罪防止に関わる活動を行っていきたい」 闇バイトの多くはSNSで募集されます。就職情報サイトのマイナビが2月、アルバイトをしている高校生約650人にアンケートしました。 高校生がどのようにアルバイトを探しているかをみると、サイトや求人情報誌を通さず「SNSで直接、探した経験がある」が46.6%となりました。 全体の34.5%が「SNSで見つけたアルバイトで働いたことがある」と回答していて、若い世代でSNSによるアルバイト探しが身近になっていることが分かります。 高校生がSNSでの怪しい求人の勧誘やトラブルに遭った経験を聞きました。 41.3%が「SNSで怪しい求人を見掛けたことがある」と回答しています。「実際に怪しい求人の勧誘を受けた」との回答も10.4%ありました。「SNSで直接交渉すると違法な労働に巻き込まれる危険性がある」ことを知っていた生徒は半数にとどまりました。 アルバイトしている高校生のうち5人に1人が親の関与無くアルバイト先を決めている現状もあります。 マイナビの担当者は「社会経験が少ない高校生がトラブルに巻き込まれないように、身近な大人や学校側から積極的にコミュニケーションを取っていくことも重要だ」としています。 相次ぐ闇バイト強盗を受け、宮城県でも防犯意識が高まっています。 仙台市泉区のホームセンターでは、首都圏で相次ぐ強盗事件を受け防犯グッズ売り場を約1.5倍に拡大しました。 カインズ仙台泉店青山昂太さん「防犯グッズのお客様からの問い合わせは非常に多い。中でも窓を割られる事案が多いので、窓フィルムなどの問い合わせが増えている状況です」 住宅の窓ガラスを割って押し入ることに備える防犯フィルムは10月から品切れとなっていて、こちらの店では地震などの災害対策用のフィルムを代用品として勧めています。 人を感知して光るセンサーライトや、録画機能は無いダミーの防犯カメラの10月の売り上げは、前年同時期に比べて約20倍になっています。 中津川夏帆記者「こちらの砂利ですが踏むと大きな音が出るため、まくだけで防犯対策ができます」 人が敷地に入って来たことをいち早く気付くことができる防犯砂利も、一連の強盗事件を受けて購入が増えています。 カインズ仙台泉店青山昂太さん「年末年始は家を空けることが多くなると思いますので、是非日頃から防犯対策をしていただければと思います」 警察庁によりますと、建物に侵入する際に5分以上かかると約7割の犯人は侵入を諦めるとされていて、犯行を事前に思いとどまらせる対策も必要になっています。
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