「微調整がうまくいっている」菊池雄星が今オフFA市場で熱視線 米球界で存在感が増している「背景」とは
米スポーツ専門局『CBS Sports』は28日(日本時間29日)、今オフのフリーエージェント(FA)市場の選手トップ20をランキング形式で公開。日本人選手では、今夏のトレード期限前にブルージェイズからアストロズへ移籍した菊池雄星投手が20位に選ばれた。 【動画】アストロズの菊池雄星がレイズ打線を三者連続三振! 新天地で凄みを増す左腕のピッチングを見る 同メディアは「ユウセイ・キクチは、結果よりもはるかに優れた能力を持つ、謎な存在の一人だった」と紹介。高いポテンシャルは誰もが認めるところだが、それがマウンド上で素直には発揮されてこなかったと指摘した。 一方で同メディアは「ただし、アストロズに移籍してからの彼は微調整がうまくいっている」とも報道。具体的にはカーブボールの割合は抑えながら、得意のスライダーやチェンジアップを多投するようになっているという。移籍前のブルージェイズでは22試合に先発して4勝9敗、防御率4・75だったが、移籍後のアストロズでは5先発で2勝0敗、防御率2・89という安定感を示している。 「状態は上向いており、どうなるか見てみよう」 今後の投球次第でオフに得られる契約総額も大きく変わってきそうだ。チームは2017、2022年とワールドシリーズを制し、7年連続でリーグ優勝決定シリーズに進出しているポストシーズンの常連。 菊池のポストシーズンでの登板は、昨年のワイルドカードシリーズ第2戦ツインズ戦での救援による1試合のみで、1回2/3を3安打1失点だった。緊張感がレギュラーシーズンとは異なるプレーオフで輝きを示せば、そこも大きく評価されることになる。 同ランキングの1位はヤンキースのフアン・ソト外野手。2位以下はオリオールズのコービン・バーンズ投手、アストロズのアレックス・ブレグマン内野手、ブレーブスのマックス・フリード投手、ジャイアンツのブレーク・スネル投手とマット・チャプマン内野手、ブルワーズのウィリー・アダメズ内野手、パドレスのキム・ハソン内野手、メッツのピート・アロンソ内野手、ドジャースのジャック・フラハティ投手までがベスト10入りした。 通常、FA市場では野手の方が注目を集めて、契約総額も高くなる傾向が強い。だが、このオフは先発投手が上記したように数多くランキングのトップに名を連ねる。11位以下も12位にレンジャーズのマックス・シャーザー、14位にネーサン・イオバルディ、18位にメッツのルイス・セベリーノ、19位にショーン・マナイアと先発投手が続いた。最大の注目を集めるポジションであり、その一角を担う菊池も大型契約が期待される一人だ。 昨オフはドジャースと大谷翔平のプロスポーツ史上最高総額の10年契約に、ドジャースと山本由伸の投手史上最高総額の12年契約と、FA史上の主役は2人の日本人選手だった。2人で話題を独占したが、このオフも先輩左腕がパズルのようなFA史上で存在感を示しそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]